【特集】シンボル?それとも迷惑?山中湖と河口湖 コブハクチョウで対応異なるワケとは… 山梨県
山中湖と河口湖でコブハクチョウの対応が異なる。山中湖では愛されシンボルとして守られているが、河口湖では外来種として被害が懸念されている。
山中湖では半世紀以上にわたりコブハクチョウが定住し、観光資源としても重要視されている。一方、河口湖ではコブハクチョウの増加を抑制するための措置がとられている。
コブハクチョウは外来種であり、食欲旺盛で水草や農作物を食害する可能性がある。両湖のコブハクチョウには対照的な状況が存在する。
県内の一部の湖に生息するコブハクチョウを巡り、隣り合う2つの湖で対応が分かれています。地域のシンボルか?それとも迷惑な外来種か?コブハクチョウを取り巻く現状を取材しました。
湖面を優雅に泳ぐ白い鳥。オレンジ色のくちばしと、その付け根にある黒いこぶが特徴のコブハクチョウです。県内では富士山麓で人気の観光スポット、山中湖と河口湖でも生息が確認されていて、愛らしい姿を見ることができます。
しかし、地元自治体に湖のコブハクチョウについて聞いてみると…
山中湖村観光課 長田道仁 課長
「山中湖の鳥として愛されてきたこのハクチョウを、しっかりとこれからも守っていきたい」
富士河口湖町農林課 小佐野俊之さん
「農被害などの報告を聞いているので、河口湖の水質や漁業などへの影響を懸念している」
山中湖と河口湖、隣り合う2つの湖で考え方が大きく異なっています。
山中湖では1968年に2組のつがいが放されて以降、半世紀以上にわたりコブハクチョウが定住。エサ代は村が負担し、ボランティアが毎日エサやりをしています。
山中湖村観光課 長田道仁 課長
「山中湖のシンボルとして今まで愛され親しまれてきた。抱卵し始めたらその巣の周りに囲いをして、ハクチョウを守っている」
そのかわいらしい姿から、村の大事な観光資源でもあります。
山中湖村観光課 長田道仁 課長
「湖とハクチョウ、富士山をバックに。そういった景色を(観光客に)楽しんでいただく」
◇ ◇ ◇
一方、約15キロ離れた河口湖ではー。
富士河口湖町農林課 小佐野俊之さん
「町としてまずは、増やさないことを念頭に動向を注視している」
河口湖のコブハクチョウは2020年に初めて飛来しているのが見つかり、今年は4羽が確認されています。コブハクチョウはもともと日本には生息しない外来種。食欲が旺盛で湖の水草を大量に食べるほか、周辺の農作物を食い荒らす被害が懸念されています。