米軍施設が民間フェリー桟橋近くに移転、有事に弾薬補給か 海上自衛隊呉基地との土地交換まとまる

AI要約

呉市の海上自衛隊呉基地と米軍「呉第6突堤」の敷地を交換する計画が進行中である。米軍施設は弾薬補給や管理を行う重要な司令部を持つ。

交換により、米軍施設が呉の海の玄関口に位置し、海自部隊の運用に影響がある第6突堤と呉警備隊の敷地が入れ替わる。

具体的な設計段階がすでに進行しており、新施設の建設や移設に関する契約も進んでいる。

米軍施設が民間フェリー桟橋近くに移転、有事に弾薬補給か 海上自衛隊呉基地との土地交換まとまる

 広島県呉市の海上自衛隊呉基地にある呉警備隊の敷地の一部と、同市の米軍「呉第6突堤」の敷地を交換する計画が進んでいることが17日、分かった。米軍は有事の弾薬補給や弾薬庫の管理を担う司令部を置いている。呉警備隊の敷地は、民間フェリーなどが発着する呉中央桟橋が近くにあり、交換が完了すると、米軍施設が呉の海の玄関口と向かい合う。

 中国四国防衛局などによると、第6突堤は約1万1560平方メートルで、日米地位協定に基づき、在日米陸軍第10支援群が使用し、弾薬庫司令部を置く。朝鮮戦争やベトナム戦争、湾岸戦争でも弾薬を供給した、広(呉市)▽秋月(江田島市)▽川上(東広島市)―の各弾薬庫の管理や運用を担う。港湾施設や福利厚生の施設も存在する。

 第6突堤は海自の艦艇や潜水艦が停泊する係船堀地区に食い込む場所に位置し、海自部隊の効率的な運用に支障があるという。交換する呉警備隊の敷地は約1万3340平方メートルで、約40メートル西に呉中央桟橋がある。2005年3月の日米合同委員会で、米国側が第6突堤の返還に合意し、土地交換の話がまとまった。

 16年には庁舎や港湾施設を移転先に整備する実施設計を完了。今年2月には現在の建築基準に合うように実施設計を修正する設計の契約2件が成立した。契約金額は、米軍が使う庁舎や倉庫計7棟の新設に関する設計は約9300万円、係留岸壁や浮桟橋の移設などに関する設計は約3200万円。

 同局は「設計の詳細について日米間で協議を続け、先頃認識が一致した。設計段階のため、使用開始時期や総事業費については公表できる状況ではない」とする。