米が品薄で高騰―下田

AI要約

米の品薄と高騰が続いている。昨夏の猛暑の影響でコメの流通量が減少し、卸会社の手元在庫が不足。

米不足は高温障害で収穫量が減少し、品質が低下したことが原因とされている。

量販店では商品棚から10キロ入りが姿を消し、購入制限も始まるなど需給がひっ迫した状況が続く見通し。

米が品薄で高騰―下田

 米の品薄と高騰が続いている。昨夏の猛暑の影響でコメの流通量が減少し、卸会社の手元在庫が不足。スーパーやドラッグストアなどの量販店では商品棚から10キロ入りが姿を消し、2キロ、5キロ入りも品薄なうえ、前年より2~3割高い値札がつく。量販店には購入制限に踏み切った店もあり、今季の収穫が本格化する9月ごろまで需給はひっ迫した状況が続く見通しだ。

 賀茂米穀卸(下田市中)の森正博社長によると、米不足は高温障害で収穫量が減少し、品質が低下したことが原因。農林水産省が毎月公表しているコメの民間在庫で、6月末の昨年産在庫量は約156万トン。前年同月に比べて41万トン少なく、適正水準とされる200万トンを大きく下回り、米不足が大きく取り沙汰されるようになった。

 影響は流通現場にも表れ、前年に標準的銘柄で1俵(60キロ)1万5千円だった取引価格は現在2万5千~2万8千円と、2倍近くに高騰。量販店の店頭で前年に4千円程度だった人気の「コシヒカリ」10キロ入りは現在5千~5千円台後半の値がつく。品薄も深刻で、10キロ入りは在庫ゼロ、辛うじて入荷した5キロ、2キロ入りも1人1袋までとするなど購入制限を始めた店もある。

 一方、米の調達に苦労しつつも店頭在庫を確保し、経営努力で価格上昇を極力抑える小売店もある。

 毎週木曜日を「お米の日」とし、店頭価格から1割引きで販売している「マックスバリュエクスプレス下田銀座店」(下田市三丁目)は”売り”であるお米の日を継続中。津曲理香店長は「厳しい状況だが、利用者の期待に応えたい」と話した。

 賀茂米穀卸が同市東本郷で運営する量り売り専門の「こめのいえ」では、品薄の中でも全国の主要銘柄を取りそろえ、その場で精米した米を販売する。森社長は「仕入れ値上昇分を会社で吸収し、価格転嫁を抑えている。経営的には厳しいが、おいしい米をなるべく安く提供したい」と力を込めた。