「コメどころ」でもコメ不足 栃木・大田原のフードバンク県北、在庫が危機的状況 寄贈呼びかける

AI要約

フードバンク県北がコメの不足に悲鳴を上げている。コメは地域で比較的多く寄せられていたが、未曽有の事態となっている。

コメの不足により、月に必要な提供量が足りなくなり、困窮者に対する支援が困難になっている状況。

需要の高いコメが不足しており、他の食品も欠品している中で、フードバンク県北は困難な状況にある。

「コメどころ」でもコメ不足 栃木・大田原のフードバンク県北、在庫が危機的状況 寄贈呼びかける

 生活困窮者に食品などを配布するフードバンク県北(栃木県大田原市住吉町2丁目)が、提供用コメの不足に悲鳴を上げている。他の食品が不足しても、栃木県北地域はコメどころでコメは比較的多く寄せられていただけに、未曽有の事態。数カ月で底を突く恐れがある一方、困窮者の需要は高く、担当者は「少しでも」と提供を訴えている。

 これまでは農家や、「親戚からコメをもらったから」といった家庭などから提供されており、30キロ入り玄米で100袋前後を常備できてきた。コメ不足の他フードバンクなどを支援することも珍しくなかった。

 担当の実寿夫(みのるとしお)さん(76)によると、異変はことしに入ってから。「提供はごく限られている」という。

 原因は推測するばかりだ。「国内主食用米の在庫量が減っているあおりか」「高温などを背景に、ことしの収穫状況が見通せず、手元のコメを手放さない人が多いのかも」「日本食ブームが影響しているのか」などと考えを巡らせる。

 現在の在庫は30キロ入り玄米約30袋だけ。物価高などで困窮者の需要は続き、月1回の食品配布会で50世帯ほどに食品を提供。求めに応じ個別に渡すコメも含め、月に約10袋は必要だ。各世帯への提供量を減らし「なくなったらまた相談して」と声をかけざるを得ないという。

 実さんは「収穫期の秋に提供が増えるかも」と期待する一方、過去約10年ここまで減ったことがない経緯を振り返ると不安を消せない。「需要の高いレトルト食品、カップ麺なども不足しがちだが、その中でもコメ不足は深刻。提供は玄米だとありがたい」と語った。(問)フードバンク県北0287・48・6000。