熱中症、プールでも注意 専門家「体温調節できず」 小矢部の3小、開放中止

AI要約

厳しい暑さが続く中、プールでの熱中症リスクに警鐘が鳴らされている。

小矢部市や砺波市など、各地の自治体は熱中症対策としてプールの利用時間の変更や中止を行っている。

専門家によると、水中では通常の体温調節ができず、特に水温が高い場合は熱中症のリスクが高まるという。

熱中症、プールでも注意 専門家「体温調節できず」 小矢部の3小、開放中止

 厳しい暑さが続く中、冷たい水が気持ちいいプール。ただ、プールに入っていても熱中症になる恐れがあり、注意が必要だ。小矢部市はプールがある津沢、蟹谷、大谷の3小学校で夏休み中のプールの開放を中止した。専門家は「特に水温が高い場合は通常のような体温調節ができず危険だ」と警鐘を鳴らす。

 小矢部市によると、熱中症対策に加えて、クマの出没の警戒が開放中止の理由だという。

 砺波市は全8小学校でプール開放を午前に変更し、熱中症警戒アラートが出た場合は利用を中止している。射水市も警戒アラートが出た場合は開放を中止。黒部市、入善町、朝日町は昨年は午後の時間帯のプール開放だったが、今年から午前に変更した。

 日本スポーツ振興センター(東京都新宿区)によると、2013~17年に小中学校のプールで熱中症になったのは全国で179人。23年には千葉市稲毛区の小学校で水泳の授業後に4年生の児童6人が熱中症で救急搬送された例もある。

 熱中症に詳しい早稲田大の永島計教授は「人間は汗をかき、水分を蒸発させることで体温を調節する。ただ、水中では汗で熱を逃がせないため、通常の体温調節ができない」と指摘。特に水温が33~34度以上に上がると、体温との温度差が小さくなるため熱を体から水中に逃がせず、その結果、熱が体内にこもり熱中症のリスクが高まる。

 永島教授によると、人間は水中では喉の渇きを自覚しにくく、脱水状態にもなりやすいという。永島教授は「運動すれば必ず汗をかくので、小まめに水を飲んだり、涼しいところで休憩したりすることも大切だ」と話している。