地区唯一のガソリンスタンド、閉鎖危機を回避 邑南・日貫 「中山間地域にとってGSは不可欠」 設備更新 

AI要約

島根県邑南町日貫地区唯一のガソリンスタンドが閉鎖の危機を乗り越えた。人口減少やハイブリッド車の普及などで売り上げが減る中、県や町の補助を受けて設備機器を更新。関係者が存続を祝った。

JAしまね島根おおち地区本部から業務委託を受け、2004年から運営。地区の人口が減少し、高齢化率が上昇している中、厳しい経営状況にあった。

設備の老朽化や赤字に苦しんでいたが、計量機の更新などを県や町の補助を受けて実施し、存続を果たした。関係者は維持に向けて取り組みを続ける意向を示した。

地区唯一のガソリンスタンド、閉鎖危機を回避 邑南・日貫 「中山間地域にとってGSは不可欠」 設備更新 

 島根県邑南町日貫地区唯一のガソリンスタンド(GS)が閉鎖の危機を乗り越えた。人口減少やハイブリッド車の普及などで売り上げが減る中、県や町の補助などを受けて設備機器を更新した。9日に現地であった報告会で関係者が存続を祝った。

 GSは、JAしまね島根おおち地区本部から業務委託を受け、地域住民でつくる企画運営委員会が2004年から運営。同年の合併当時に702人いた地区の人口は今年7月末時点で386人に減り、高齢化率は56・2%に上る。

 GSの経営も厳しく、年間で最大61万円の赤字が出た。23年度は収入666万円、支出656万円で10万円の黒字になったが、設備更新が重くのしかかり、閉鎖の危機に陥った。

 車両などへの給油量を量る計量機は老朽化が進み、法定の計量機検定で不適とされた場合、使えなくなる恐れがあった。県が23年度に始めた補助事業の対象にするよう町や運営委員会が要望し、県が24年度から認めたため、活用した。

 計3機の更新費307万円のうち、県と町がそれぞれ3分の1を補助し、JAや地区の自治協議会の支援も得て更新にこぎ着けた。約30人が集まった報告会では関係者が経緯を説明し、くす玉を割って祝った。次の更新時期は20年後だという。運営委員会の山﨑勉会長(69)は「中山間地域にとってGSは不可欠。今後も維持に向けてさまざまな取り組みを考える」と話した。