問われる運転手の健康管理 専門家も指摘“低血糖の危うさ” 札幌・小学生死亡事故の“警鐘”
小学4年の男の子が赤信号を無視したワゴン車にはねられ死亡。男の運転手に実刑判決。
男の父親は遺族に謝罪の必要はないと語る。被告は糖尿病持病で意識障害を認識しながら運転。
被告は倖さんをはねる前にも事故を起こしており、血糖値の管理が不十分だった。
札幌市豊平区で、小学4年の男の子が赤信号を無視したワゴン車にはねられ死亡した事故で、運転手の男に実刑判決が言い渡されました。
ハンドルを握る運転手の体調管理の責任が問われています。
(西田倖さんの父親)「事故が起きる前から止まっているというか、何ら心境の点で進展はないのかなと思います。私たち遺族に謝る必要はないと思っていて、とにかく倖に謝り続 けてほしいというのは思い続けているところです」
息子の命を奪った男の判決を前に、父親が胸の内を明かしました。
(西田倖さん)「ゲームカセットだ!手錠も入ってる!」
クリスマスプレゼントをもらって大喜びする男の子。
このわずか半年後、9歳で命を絶たれました。
(鷲見記者)「男の子がはねられた横断歩道です。現場には車の部品が散乱していて警察が入念に調べています」
札幌市豊平区の市道で、登校中に横断歩道を渡っていた小学4年生の西田倖さん。
そこに赤信号を無視したワゴン車が突っ込み、倖さんは腹部を強く打って、死亡しました。
過失運転致死の罪に問われている花田光夫被告。
検察によりますと、糖尿病の持病があった花田被告は、意識障害を起こす可能性を認識していたにも関わらずインスリンを注射したあと、食事をとらずにワゴン車を運転。
その後、低血糖による意識障害に陥り倖さんをはね、死亡させたとされています。
さらに、倖さんをはねる直前、250メートル手前の歩道上でもポールをなぎ倒す物損事故を起こしていました。
(花田被告)「私自身は記憶にありませんけど、 現場検証をしていますし、証拠を検討した結果、間違いないと思います」
初公判で起訴内容を認めた花田被告。
2013年ごろから、糖尿病を患い、薬などで血糖値を抑える必要がありましたが、通院は不定期。
血糖値の測定もせず、医師などから意識障害の危険性を繰り返し伝えられていました。
(花田被告)「性格的にずさんなところがあった」
糖尿病はインスリン注射などで血糖値をコントロールします。