広島県の公立高入試、自己表現カード廃止へ 2025年春から 生徒や教員の負担考慮
広島県教委は自己表現カードの取りやめを発表した。
3年目での廃止は、受験生や教員の負担を軽減するため。
代わりに補足資料の持ち込みを認める方針。
入試制度改革で導入された自己表現は、受験生の対応時間が5分未満。
受験生が中学や高校での活動や目標を記入し、評価される仕組み。
自己表現カードの導入に反対する声が根強い。
今年の高校1年生の74%がカードを使用しなかったと回答。
教育長は変化を受け入れつつ、評価や改善を行う考えを示す。
広島県教委は9日、公立高入試に導入した面談形式の「自己表現」のうち、受験生が自己PRを書く「自己表現カード」の作成と提出を来春の入試から取りやめると発表した。受験生や教員からの負担を訴える声に配慮し、導入から3年目で廃止する。
県教委は入試制度改革で2023年春に1人5分以内で自分をアピールする自己表現を取り入れた。受験生は1日目に5教科の学力試験を受けた上で、中学で取り組んできたことや高校入学後の目標などをカードに書き込んで提出。2日目の自己表現の際に活用できるようにしていた。
中学校や高校から入試時間や業務量が増えるとの声があり、今春はカードの記入時間を半分の15分間に短縮。それでも負担を訴える意見があり、今年の高校1年生へのアンケートでは74%がカードを使わなかったと回答していた。
カードの代わりの補足資料を持ち込むのは今後も認める方針という。篠田智志教育長は記者会見で自己表現の意義を強調した一方で「カードの使用は一部の生徒にとどまっている。その都度の評価や振り返りを踏まえて改善を行う」と説明した。