【速報】「教室にエアコン設置の署名妨害された」適応障害発症の元教諭が訴えた裁判 賠償命じる判決

AI要約

美術担当の男性教諭が、エアコン設置を要望するも叶わず、適応障害を発症し、損害賠償を求める裁判で大阪地裁が賠償を命じた。

美術室にエアコンがないことから30℃以上の室温になることもあり、生徒に熱中症事故が発生。要望活動を行うも妨害を受ける。

校長や教委らによる要望活動の妨害や呼び出しにより、教諭は適応障害を発症し、精神的・肉体的苦痛を受けたとして裁判を起こした。

 大阪府高槻市立の中学校に勤務していた美術担当の男性教諭が、美術室にエアコンを設置するよう要望したにもかかわらず、設置されずに夏は高温の室内で授業や部活動を強いられた上、校長に要望活動を妨害されるなどして適応障害を発症したとして、市と府に慰謝料など約330万円の損害賠償を求め訴えた裁判で、大阪地裁は9日、賠償を命じました。

 訴状によりますと、高槻市立第二中学校では、教室や職員室など一部の部屋にはエアコンが設置されているものの、美術室にはエアコンがなく、室温は例年6月には30℃を超え、8月には40℃を超えることもあったということです。

 そこで、美術の担当教諭だった好田得二さんは、美術室にエアコンを設置するよう高槻市長や教育委員会、校長らに要望書を提出していました。2021年には、美術室で活動していた美術部の生徒2人が熱中症で体調不良を訴え倒れる事故があったことから、生徒や保護者に署名活動を呼び掛けるようになりました。

 ところが、校長が署名用紙を回収したり、生徒らに活動を行わないよう働きかけるなど妨害活動を行ったほか、好田さんに対し「要望活動をするのは間違っている。子どものためにならない」と書かれた書面を読み上げるよう迫るなどしたということです。

 また、好田さんは市教委から10回以上にわたって繰り返し呼び出され事情を聞かれたということで、その後、不安や焦燥感、集中力の低下などを感じるようになり、2022年にクリニックで適応障害と診断されました。

 好田さんは、活動の妨害などによる精神的苦痛や、高温の美術室での活動を強いられ、肉体的苦痛を受けたとして、2022年9月に高槻市と大阪府を相手取り、大阪地裁に訴えを起こしていました。