「買い物弱者」支援へ移動販売スタート 山都町、ゆめマート熊本と地域包括連携協定 

AI要約

山都町で移動販売車の運行が始まり、高齢者の見守りにつなげる取り組みがスタート。

町が車両購入代金の一部を補助し、買い物弱者支援に取り組むことで、山間部の集落でのニーズに応える。

移動販売車では約500品目を積載し、3つの地区を回りながら利用者の声に耳を傾け、サービスを改善していく予定。

「買い物弱者」支援へ移動販売スタート 山都町、ゆめマート熊本と地域包括連携協定 

 ゆめマート熊本(熊本市)は2日、山都町で移動販売車の運行を始めた。町が車両購入代金の一部を補助する「買い物弱者」への支援策で、今後、両者が連携して高齢者の見守りにつなげる考え。

 高齢化率が50%を超え、集落が山間部に点在する町では、買い物弱者支援への要望が住民らから寄せられていた。町が移動販売の事業者を募ったところ、昨年11月、ゆめマート熊本が申請した。販売車両1台の購入費として300万円を補助し、5年間事業を展開することを決めた。

 移動販売車には、総菜や肉、日用品など約500品目を積載。小売店などの販売促進支援を手がける「フィクスコミュニケーションズ」(東京)の運転手が車両を走らせる。当面は月、火曜に矢部地域、水、木曜に清和地域、金、土曜に蘇陽地域を回る計画で、午前10時~午後3時ごろに該当地区の公民館や高齢者施設などに停車する予定。フィクスコミュニケーションズは「利用者の意見を聞きながら停車地などを改善していく」としている。

 事業開始に合わせ、ゆめマート熊本と町は同日、地域包括連携協定を締結。同社の寺本智広社長は「見守りやコミュニティーづくりに貢献し、地域になくてはならない存在になる」。坂本靖也町長は「販売車の巡回で、町民の生活の質向上と、より良い町づくりにつなげたい」と話した。(枝村美咲)