熊本県の最低賃金、答申持ち越し 労使主張の開き埋まらず 最低賃金審議会が5回目の専門部会

AI要約

・・・熊本地方最低賃金審議会で2024年度の改定額について協議が行われたが結論は出ず、次回の日程が未定となった。

・・・専門部会では労使間の提示金額に大きな開きがあり、公益委員が金額案を出すことが難しい状況となった。

・・・答申の見送りにより、10月1日の新たな最低賃金の発効が遅れることになった。

熊本県の最低賃金、答申持ち越し 労使主張の開き埋まらず 最低賃金審議会が5回目の専門部会

 熊本地方最低賃金審議会は5日、5回目の専門部会を開き、2024年度の具体的な改定額について詰めの協議をしたが、結論は出なかった。労使が主張する金額の開きが埋まらず、予定していた熊本労働局長への答申は持ち越した。次回日程は未定。

 専門部会では、有識者による公益委員が労働者、使用者の各代表とそれぞれ非公開で協議した。倉田賀世会長によると、双方の提示額に「相当程度の開き」があり、公益委員が金額案を出すのは難しいとして議論の継続が決まった。答申の見送りで、当初予定した10月1日の新たな最低賃金の発効もずれ込む。

 終了後、使用者側は「根拠がよく分からない引き上げ目安額の50円にこだわった審議は難しい。経営が厳しい事業者が多くいる」、労働者側は「最低賃金の10月1日発効にこだわらず、もう一度検討を尽くすことになった」と説明した。

 倉田会長は「かなり開きがあった初回の金額提示以降、若干の歩み寄りはあった。労使の納得いく結論を目指していく」と述べた。(丸山伸太郎)