美大生がお守り制作 東京・原宿の穏田神社、伝統工芸生かす 復興支援へ来年1月1日に配布

AI要約

金沢美大の学生が、東京・原宿にある穏田神社のお守り制作を始める。復興支援のために売り上げを寄付する予定で、お守りは金沢の工芸技術を取り入れたデザインになる。

穏田神社の船田睦子宮司が地震被害を受けた石川の伝統工芸品を支援するためにお守り制作を提案。金沢美大の学生がデザインを担当することとなった。

お守りデザインの最終案は19日に決定される予定で、金沢の伝統と穏田神社の由緒を感じられるような作品が期待される。

美大生がお守り制作 東京・原宿の穏田神社、伝統工芸生かす 復興支援へ来年1月1日に配布

  ●手水舎に前田家家紋の縁

 金沢美大の学生が、東京・原宿にある穏田(おんでん)神社(神宮前5丁目)のお守りを制作する。能登半島地震の発生から1年となる来年1月1日に配布を始める予定で、売り上げは復興支援のために寄付する。神社の手水舎(ちょうずや)には加賀藩前田家の家紋「梅鉢紋」が刻まれており、石川と縁があることから神社側が提案した。学生は金沢の工芸技術を生かしたお守りをデザインしたい考えだ。

 お守りの制作は、穏田神社の船田睦子宮司(31)が地震で石川の工芸品が被害を受けたのを見て「伝統を未来につなぐために何かしたい」と思ったのがきっかけ。金沢クラフトビジネス創造機構を通じて金沢美大に「石川の伝統工芸技術でお守りをデザインしてほしい」と打診した。

 船田宮司はもともと地域の文化、産業振興を目指す金沢美大や石川の工芸作家に関心があったという。

 穏田神社は原宿と渋谷の中間地点に位置し、美容や縁結びの守り神として信仰されている。アニメ「ラブライブ!」シリーズで主人公の一人の実家として登場し、ファンの「聖地巡礼」の場となっている。

 船田宮司によると、梅鉢紋が刻まれた手水舎は、明治時代に現在の神宮前6丁目にあった熊野神社を合(ごう)祀(し)した際に移築された。熊野神社があった地は、前田家とゆかりの深い広島藩の浅野家が治めていたことから譲り受けたという。

 神社側からの提案を受け、金沢美大は学生から1次のデザイン案を募集。14人が応募し、工芸科の荒木いちごさん(29)=陶磁コース修士2年=、矢賀紀蓉佳さん(23)=染織コース修士1年=、佐藤りりかさん(22)=陶磁コース学部4年=、長縄花怜さん(21)=染織コース学部2年=の4人を選んだ。

 4人は3日、美大工芸科の大高亨教授とともに穏田神社を訪れ、船田宮司から神社の由緒や歴史について説明を受けた。大学側は19日にプレゼンテーションを行い、お守りのデザインの最終案を決める。荒木さんは「金沢とのつながりを感じられるようなお守りを作りたい」と話した。