猛虎襲来、大暴れ! 虎がいないと始まらない…いちき串木野で国指定重要無形民俗文化財「市来の七夕踊」

AI要約

鹿児島県いちき串木野市の大里地区で、国の重要無形民俗文化財「市来の七夕踊」が行われた。

張り子の虎が2年ぶりに登場し、観衆を沸かせた。高さ3.6メートル全長4.8メートルの虎は約7時間の制作を経て復活した。

太鼓踊では踊り手たちが花がさなどを身に付け、伝統の継続と盛り上げを図るために活動が続けられている。

猛虎襲来、大暴れ! 虎がいないと始まらない…いちき串木野で国指定重要無形民俗文化財「市来の七夕踊」

 国の重要無形民俗文化財「市来の七夕踊」が、鹿児島県いちき串木野市の大里地区であった。昨年はメインの太鼓踊に絞ったが、今年は2年ぶりに張り子の虎が登場し、観衆を沸かせた。

 「作り物」と呼ばれる張り子のうち、七夕踊伝承会からの依頼で島内集落が担当する高さ3.6メートル、全長4.8メートルの虎が復活。竹の骨格に、かずらや和紙などを使った張り子は、約7時間をかけて制作した。

 本番では頭を縦横に振りながら暴れる虎と狩人役の軽妙なやり取りを披露。島内虎保存会の北ノ園博文会長(54)は「虎がいないと始まらない。子どもたちに虎が走る姿を見てもらえてうれしい」と汗を拭った。

 太鼓踊では踊り手9人が花がさなどを身に付け、太鼓やかねの音を響かせた。少子高齢化による担い手不足で、2022年限りで「休止」が決まっていたが、400年続く伝統を途絶えさせまいと有志でつくる伝承会が引き継いで2年目。吉村正直会長(54)は「今回は虎が共演してくれて心強かった。本来は他の張り子や行列もあり、これを機にもっと盛り上げていきたい」と話した。7月27日にあった。