ウナギの頭まるごとペットフードに 廃棄資源を利用、浜松名物目指す

AI要約

オフィスグローボネットとDogリフレOGGiが国産ウナギの頭を使ったペットフード「DRY EEL」を販売開始

ウナギの頭を利用したペットフードは3社の共同開発で、栄養価が高く地域資源を活用

製造過程や販売方法にこだわり、人も安全に食べられる品質を提供

ウナギの頭まるごとペットフードに 廃棄資源を利用、浜松名物目指す

 ペット商品の通信販売を手がける「オフィスグローボネット」(浜松市中央区)と室内ドッグランやドッグホテルなどを運営する「DogリフレOGGi(オッジ)」(中央区)が7月24日、国産ウナギの頭を使ったペットフード「DRY EEL(ドライイール)」の販売を始めた。(浜松経済新聞)

 両社で浜松名物のウナギを生かしたペットフードを開発しようと模索する中、浜松商工会議所の紹介によりウナギのテイクアウト専門店「うなぎの井口」(浜名区)が加わり3社で共同開発した。製造過程で通常廃棄してしまうウナギの頭を煮沸して乾燥させることで、地域資源を利用した「犬のおやつ」として土用の丑(うし)の日に合わせて販売を始めた。

 同社によると、浜松市は政令指定都市内で人口1000人あたりの犬の飼育登録数が最も多い。近年ペットを家族の一員として考える傾向も強く、高価格帯のドッグフードの需要が拡大しているという。「製造元が明確で健康に良いものを食べさせたいという飼い主が多い」とオッジ店主の荻一司さん。動物性たんぱく質やカルシウムやビタミンなどを多く含み栄養価が高いとされるウナギを、オッジで加工して販売する。

 ウナギの頭は冷凍せずに、さばいた当日に生のまま煮込み、約1日半かけて自然乾燥させて仕上げる。事前に長時間かけて血抜きすることで臭みを抑えられ、保存料を使わず味付けもしないためウナギそのままの風味を感じられるという。「煮沸殺菌と丁寧な血抜き処理により衛生面に配慮している」と荻さん。食品衛生検査機関で検査を行い、人が食べても安全とされる「ヒューマングレード」の商品として展開する。食べやすく小分けしたパッケージのデザインは、ポップなウナギとリアルなウナギのイラストをあしらった2種類を用意する。

 井口さんは「近年ウナギの価格が高騰しており、絶滅危惧種にも指定されている。大切な地域資源として、ウナギの頭も一つの価値になるならと協力した。ウナギ業界としてもうれしい取り組みになった」と話す。

 「どの犬も喜んで食べてくれる商品ができうれしい」と「オフィスグローボネット」社長の永井佳子さん。荻さんは「今後さらにオリジナリティーを出せるように工夫し、ふるさと納税の返礼品に選ばれるような地元名物にしたい」と意気込む。

 価格は1袋70グラム入り=1,100円。「オフィスグローボネット」が運営する通販サイト「ねこのて商会」と「Dogリフレ OGGi(オッジ)」店頭で販売する。