上尾にカフェ&バル「魔女カフェ」 聴覚障害に配慮した就労支援の場に

AI要約

上尾市領家にオープンした「上尾の魔女カフェ」はNPO法人「マダムウィッチーズ」が運営。地産地消のメニューを提供し、障害を抱える人たちの就労支援施設としても活動する。

店内ではワークショップやハンドメード雑貨の販売も行い、障害を持つスタッフの工賃に充てられる。コーヒーやパンは地元の福祉機関と連携して提供。

将来の展望として、エディブルフラワーを活用した料理を提供する夢を持ち、第二の自宅のような居心地の良い場所にしたいという。営業はカフェとバルを違う時間帯で提供。

上尾にカフェ&バル「魔女カフェ」 聴覚障害に配慮した就労支援の場に

 「上尾の魔女カフェ」(上尾市領家)が8月1日、グランドオープンした。運営はNPO法人「マダムウィッチーズ」。(大宮経済新聞)

 ハーバルセラピストで店長を務めるおの順恵さんと薬膳マイスターで同NPO副代表の松本昌江さんが、上尾市領家で取れた野菜や小麦を使い地産地消のメニューを提供する。店名の「魔女」には「豊富なハーブの知識を持つ賢い女性」という意味を込めた。

 同NPO代表の坂上淑恵さんは「社会からこぼれている大人や子どもの居場所を作りたい」と5年ほど前から構想を練ってきたという。アウトドアカフェ山小屋(上尾市菅谷)の元店長だった松本さんは店で大宮ろう学園(さいたま市北区植竹町2)の生徒たちの職業体験を受け入れながら,、「体験で終わらせず、障害があってもあらゆる社会活動に参加できる、社会への足がかりとなる場所を作りたい」と坂上さんと意気投合し、オープンにこぎ着けた。

 店長のおのさんは「障害者、健常者に関係なく、みんなが得意な分野を生かし、苦手な部分を補いながら、でこぼこを合わせて心も体も休まる楽しい場にしていけたら」と話す。特に「聞こえ」に問題を抱える人を中心に、さまざまな障害を抱える人たちと共に就労支援施設B型として運営する。「聞こえに不安があっても、手話、身ぶり、カードを活用して安心して働ける。昼はカフェ、夜はバルで時間を選んで働ける場を提供する」とも。

 店内では、アクセサリー作り、アロマ・ハーブ、編み物などのワークショップも行う予定。ハンドメード雑貨の販売の委託費用は障害を持つスタッフの工賃となる。

 コーヒーは、NPO法人「みのり」が運営する視覚障害者のための福祉事業所「領家グリーンゲイブルズ」の「耳で焙煎(ばいせん)した」コーヒー豆を使用。パンは社会福祉法人「とまとの会」が運営するカフェ「第2ぷちとまと」が作るパンを使う。

 メニューは、「薬膳御膳」(1,560円)、「美魔女の気まぐれワンプレート」(1,500円)、「魔女カフェ薬膳カレー」「魔女カフェ薬膳黒カレー」(以上1,300円)、コーヒー(500円)、ハーブコーディアル(600円)、ハーブティー&カルピス(700円)など。ハーブティー、デザート、アルコール、おつまみも提供する。

 坂上さんは「将来、エディブルフラワーを栽培して、聴覚障害の人が目で見て楽しめる料理を提供するのが夢。ここで働く人も、お客さまも第二の自宅のように来てもらえたら」と呼びかける。

 営業は、カフェ=火曜~日曜の11時~17時、バル=木曜~土曜の17時~21時。月曜定休。店内31席。駐車場8台。サイクルラックあり。