姫路一の歴史誇る老舗ホテル 官兵衛、千姫の部屋など歴史・伝統反映 食材にも貫く“地元らしさ”

AI要約

ホテルクレール日笠は姫路城のおひざ元に位置し、姫路らしさを大切にした歴史あるホテルである。

部屋は和モダンで姫路に縁のある人物や事柄をテーマにしており、食事にも姫路や兵庫産の食材を使用している。

コロナ禍でも物品販売に取り組み、姫路のソウルフードや地元の調味料・食材を活かした商品を展開している。

姫路一の歴史誇る老舗ホテル 官兵衛、千姫の部屋など歴史・伝統反映 食材にも貫く“地元らしさ”

 兵庫県姫路のシンボル国宝「姫路城」。多くの外国人観光客も訪れる世界遺産のそのおひざ元に、創業から70年以上という姫路一の長い歴史を誇るホテルがあります。施設やサービスに貫かれた、地元ならではのコンセプトなどについて聞きました。

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 姫路城の南西、十二所前町に堂々と佇む「ホテルクレール日笠」。1950年創業で、もとは旅館だったといいます。

「コンセプトは“姫路城下町”」と話すのは、同ホテルを運営する有限会社日笠常務取締役の山中敬子さんです。同ホテルが大切にするのは“姫路らしさ”だといいます。

 そのコンセプトは部屋にも落とし込まれています。2年前に改装した和モダンの4部屋は、姫路に縁のある人物や事柄がテーマに。2014年のNHK大河ドラマの主人公にもなった軍師・黒田官兵衛をモチーフとした部屋には、官兵衛ゆかりの“藤の花”や黒田家の家紋などをモチーフとしてちりばめました。

 他の3室もそれぞれ、本田忠刻とともに姫路城で暮らした「千姫」、姫路城の別名・白鷺城からイメージした「白鷺」、旅館時代の客人で人間国宝の手すき和紙技術者、安部栄四郎の書「瑞雲」をテーマにしたしつらいになっています。

 “姫路らしさ”は食事にも貫かれます。

 地産地消を基本として、姫路や兵庫産の食材を使用しています。特に米にはこだわり、契約農家から取り寄せ。“清流米”と呼ばれる米は、兵庫県美方町の国際コンクールで特別優秀賞をとったことのある吉田増夫さんの棚田で作られています。

 また、同じく城下町内にある味噌店のみそや、姫路和牛、播磨灘の穴子など、吟味された地元の調味料・食材を用いています。

 多くの宿泊施設が苦境に立たされたコロナ禍には、物品販売へのチャレンジを始めました。

 宿泊客からの「家でも食べたい」という声を受け、朝食で提供する姫路のソウルフード「アーモンドバタートースト」の「アーモンドバター」を、また、穴子のコース料理にラインアップしていた「姫穴子茶漬け」それぞれの商品化にこぎつけました。いずれも使用する素材にこだわっており、売れ行きも好調とのこと。姫穴子茶漬けは、“地域らしさ”と”新しさ“を兼ね備えた県産品として「五つ星ひょうご」にも認定されています。

 山中さんは「祖母の営んでいた旅館時代から続くおもてなしの心を大切に、これからもお客様とのつながりを大切にしていきたい」と話しました。

※ラジオ関西『谷五郎の笑ってくらそう』2024年7月28日放送回より