障害者がARグラスで就業訓練 福岡県で初の取り組み

AI要約

福岡県が日本財団、西鉄グループ、NPO法人セルプセンター福岡と連携して障害者向け業務訓練を開始する。

ARグラスを活用した訓練ツールを提供し、実践的な環境での訓練を実施。

企業側と障害者側双方の安心を考えた取り組みで、定着までサポートを行う。

障害者がARグラスで就業訓練 福岡県で初の取り組み

 福岡県は16日、日本財団、西鉄グループ、NPO法人セルプセンター福岡と連携して、実際に見ている映像をリアルタイムで共有できる眼鏡型の機器「ARグラス」を活用した障害者向け業務訓練を開始すると発表した。県によると、全国初の取り組み。

 西日本鉄道を中核とした西鉄グループ各社が、障害者に適した業務を切り出し、セルプセンター福岡がマニュアルを作成する。

 その際に、作業のポイントを説明する画像や動画を作り、ARグラスで見られる「訓練ツール」を作成する。障害者はARグラスを活用して視覚的に業務を理解しながら、実践的な訓練を受け、その後の面接、就職につなげていく。

 具体的な業務は、西鉄グループ各社が行っている業務のうち、バスの乗車支援や、電車の駅構内の清掃、運送会社の倉庫内ピッキング作業など。

 企業側は、事前の業務環境に近い訓練をした人を雇用でき、障害者側も前もって業務を体験してから就職できることから、双方の安心につながる。就業後、定着までのサポートも行う予定。

 9月30日まで参加者を募集する。定員は20人程度。9~12月の期間で訓練を行い、順次就職への移行を目指すという。

 記者会見を開いた服部太郎知事は「障害者の働く場を増やし、多様な人材が活躍でき、輝くことができるような福岡県を目指していきたい」と話した。