赤字続くおれんじ鉄道 10月から40~140円値上げ 運賃改定は消費税率分引き上げ除き開業後初

AI要約

八代市と薩摩川内市を結ぶ肥薩おれんじ鉄道が運賃値上げを申請。

値上げ理由には燃料費や人口減少、新型コロナの影響などが挙げられる。

運賃の変更は初めてで、国による鉄道運賃の見直しもある。

赤字続くおれんじ鉄道 10月から40~140円値上げ 運賃改定は消費税率分引き上げ除き開業後初

 鹿児島県薩摩川内市と熊本県八代市を結ぶ第三セクターの肥薩おれんじ鉄道(八代市)は26日、普通運賃を40~140円(平均9.98%)値上げする改定を国土交通省九州運輸局に申請したと発表した。認可されれば10月1日から変更する。2004年3月の開業後、消費税率引き上げ分以外の改定は初めてとなる。

 申請は今月24日付。同社は値上げの理由に、燃料や資材費の高騰のほか、沿線地域の人口減少、新型コロナウイルスの影響、最低賃金引き上げによる人件費増などを挙げる。開業翌年度から赤字が続く中、安全安心なサービスを維持するための設備投資を続ける必要もあると説明した。

 国交省は今年4月、鉄道運賃の根拠となる「総括原価」の計算方法を見直し、災害で今後見込まれる損失をコストに盛り込めるようにした。同社は利用者への影響を考慮し、同原価の計算より値上げ幅を低めに設定したとしている。

 八代-川内の運賃は現行の2670円が2810円に、出水-川内は1480円から1550円となる。定期券も通勤が2640~1万9690円、通学は1490~1万1460円値上がりする。観光列車「おれんじ食堂」や「おれんじ1日フリー切符」の料金については未定としている。

 鉄道運賃では、JR九州も19日に、来年4月1日から全体で平均15.0%値上げする改定を国に申請した。