地域の〝たまり場〟復活 元NPOスタッフら 10月開館へ 多世代交流拠点に 福祉施設運営会社が協力 茨城・ひたちなか

AI要約

ひたちなか市馬渡で親しまれた「くらし協同館なかよし」が2023年に閉館し、新たな居場所「みんなの居場所なかよし」が10月オープンを目指す。

元スタッフや地元住民らが新たな施設の運営を進め、交流拠点を提供することに期待が寄せられている。

新施設では学習会やイベント、カフェ、子育て支援など幅広い世代が楽しめる事業が企画されている。

地域の〝たまり場〟復活 元NPOスタッフら 10月開館へ 多世代交流拠点に 福祉施設運営会社が協力 茨城・ひたちなか

茨城県ひたちなか市馬渡で地域の〝たまり場〟として長年親しまれ、2023年に閉館した「くらし協同館なかよし」を運営していたNPO法人の元スタッフらが、新たな居場所づくりを進めている。地元住民や利用者から上がった復活を望む声を受け、10月に多世代交流を狙いとする「みんなの居場所なかよし」のオープンを目指す。担当者は「だれもが気軽に集え、楽しめる場所にしたい」と意気込む。

くらし協同館なかよしは2005年、同所の本郷台団地にあったスーパー撤退を踏まえ、買い物難民を防ぐため、主婦が中心となって同名称のNPO法人を設立し、空き店舗を活用する形で開館した。食品の販売や配達、喫茶サロンをはじめ、多岐にわたる事業を展開したが、昨年9月、施設の老朽化やスタッフの高齢化を理由に閉館した。

同NPOが閉館方針を決定した同2月以降、地元住民から交流拠点が失われることへの不安の声とともに、代替となる拠点を求める声が相次いだ。

このため、同NPOの元理事長らが以前から交流があり、近くで高齢者福祉施設を運営するソフト・ケア(同市)に相談したところ、くらし協同館なかよしから約400メートル北に離れた場所で、同社が運営する介護付き有料老人ホーム「おひさま館2号館」の隣接地に新たな施設を建ててもらうことが決まった。

同社の川又徹副社長(49)は「地域の皆さんの手助けができればと思った。私たちの施設の利用者と市民が交流を楽しむこともでき、メリットもある」と支援の理由を語る。

元スタッフや地元住民らは今年4月、一般社団法人「みんなの居場所なかよし」を立ち上げ、現在は約20人のメンバーが施設の運営や管理方法などの詰めを急いでいる。

同法人の塚越猛代表理事(85)は「くらし協同館なかよしと同じように、再び地元の皆さんに気軽に来てほしい」と呼びかける。

新施設は木造平屋建てで、5月に着工。6月下旬には上棟式が行われ、施工業者や同法人関係者、近隣住民ら約100人が参加、紅白の餅や菓子が振る舞われた。

みんなの居場所なかよしは認知症や栄養相談などの学習会、音楽会や寄席などのイベント、カフェ、読み聞かせなどの子育て支援など、幅広い世代が交流できる多彩な事業を企画している。

新施設の運営責任者を担う同法人の高橋広子理事(71)は「来た人が思い思いに楽しんで、元気になれる場所にしたい」と意欲的に語る。