長総大付が初の4強! 第1、2シードが敗退 第106回全国高校野球長崎大会 

AI要約

長崎総合科学大付が長崎日大を1-0で破り、初の準決勝進出を果たす。

大崎は鹿町工を5-0で下し、5年連続の4強入りを果たす。

増永投手が3安打完封し、チームは勢いをつかんで優勝を目指す姿勢を見せる。

長総大付が初の4強! 第1、2シードが敗退 第106回全国高校野球長崎大会 

 第106回全国高校野球選手権長崎大会第8日は24日、長崎市の県営ビッグNスタジアムで準々決勝2試合が行われ、第8シード長崎総合科学大付が第1シード長崎日大に1-0で競り勝ち、初の準決勝進出を決めた。第7シード大崎は5年連続(2020年県独自大会を含む)で4強入りした。

 今大会は18日の2回戦で第2シード海星が敗れており、第1、2シード校が準決勝を前に姿を消した。第1、2シード校がそろって4強入りを逃したのは、2012年大会以来、12年ぶり。

 長崎総合科学大付は先発増永が3安打完封。バックも無失策で守り抜いた。攻撃は五回、1死一、三塁から、大久保が三塁線を破る適時二塁打で先制。長崎日大は一、五、六回に1死二塁の好機をつくったが、後続を断たれた。

 大崎は鹿町工を5-0で退けた。二回に2死から敵失に乗じて1点を先制すると、三回に池田の左犠飛で1点、五回に敵失と島内の2点適時打などで3点を追加。先発川口は130キロ前半の直球を低めに集めて6安打完封した。

 第9日は25日、ビッグNで準々決勝の残り2試合を実施する。

◎長総大付 増永3安打完封「野手を信じて投げた」

 「粘り負けない、本当に頼もしい選手たち。最高の試合だった」

 今季、県内主要大会3冠の第1シード長崎日大に1-0で競り勝ち、初の4強入りを果たした長崎総合科学大付。54歳の渡瀬監督はあふれる涙をぬぐいながら、歓喜に沸く選手たちを見詰めた。

 原動力となったのは先発増永。立ち上がりから「球の切れが良かった」と好感触を得ていた。ストライク先行で打者を追い込み続け、120キロ後半の球速以上に速く感じさせる直球をコーナーに投げ込み、凡打の山を築いた。「野手を信じていたので安心して投げれた」。息詰まる投手戦の中、走者を背負っても表情一つ変えずに淡々と腕を振った。

 試合が動いたのは五回。過去に長崎日大で17年間の指導歴がある渡瀬監督の読みが的中した。「日大は伝統的にアウトコース主体の投球。内角に自信のある西尾が(捕手のサインに)首を振れば、インコースにボールが来る」

 1死一、三塁で大久保が打席に立った3球目、西尾が首を振った。狙い通りに内角の直球が来た。迷わず振り抜くとボールは三塁線を破る値千金の二塁打。結果的にこれが決勝打となった。増永を好リードで支えてきた大久保は「楽にさせられてよかった」と胸を張った。

 持ち味の勝負強さを発揮した長総大付。これからはもっと厳しい戦いが待っているが、この日、チームは大きな自信と勢いをつかんだ。増永が言葉に力を込めた。「あくまで優勝が目標。これからも挑戦者の気持ちを忘れず戦っていく」。今夏、開けなければならない歴史の扉は、まだ残っている。