⚾ハヤテユニホーム 地域で支援 地元企業と住民 無償で洗濯 選手感謝「愛情実感」

AI要約

プロ野球2軍ウエスタン・リーグに新規参入したくふうハヤテベンチャーズ静岡は、厳しいチーム運営をしており、地元企業の支援が欠かせない状況である。

クリーニング業のセントラルタオル静岡が全選手のユニフォームの洗濯を無償で請け負い、地域の協力体制が築かれている。

運営費の節約にも力を入れるくふうハヤテベンチャーズ静岡は、地域密着とスポンサー獲得に注力し、将来的な独立した球団経営を目指している。

⚾ハヤテユニホーム 地域で支援 地元企業と住民 無償で洗濯 選手感謝「愛情実感」

 プロ野球2軍ウエスタン・リーグに今季、新規参入した「くふうハヤテベンチャーズ静岡」。試合日程の約半分を消化した今も、限られた予算での厳しいチーム運営が続く。そんな球団を支える地元企業がある。静岡市清水区のクリーニング業「セントラルタオル静岡」は月に数回、全選手のユニホームの洗濯を無償で請け負っている。同社の竹久保大地代表(50)は「選手が少しでも良いパフォーマンスが出せるように。球団も初年度の大変な時期なので力になりたい」と協力を買って出た。

 竹久保代表は、先発の一角として活躍する二宮衣沙貴投手(25)と2月中旬に知人を介して知り合った。選手自らユニホームを洗う現状を聞き、助けになりたいとボランティアでの実施を思い立ったという。

 ユニホームの洗濯は営業時間外の夜間に行うため人員を割くことができず、加えて土や芝など繊維に入り込んだ汚れを落とすのは大変な作業になる。そこで手を差し伸べたのは、自身がコーチを務める有度ソフトボールスポーツ少年団の父母たち。洗濯日に集まり、作業を手分けしている。

 地域ぐるみでの協力にくふうハヤテの池田省吾球団社長(49)は「負担の大きい作業にもかかわらず無償で引き受けてくださり、本当にありがたい」と話す。選手は生まれた時間をトレーニングや体のケアなどに充てている。二宮投手も「愛情を感じるし、いつもきれいなユニホームを着て気持ちよく試合に臨める」と感謝する。

 竹久保代表が観戦に行くと、選手はグラウンドからユニホームを指さし「いつもありがとうございます」と声をかけてくれるという。「思いがけない縁で交流が生まれ、くふうハヤテの試合にいつも元気をもらっている。選手にはNPBという夢に向かって羽ばたいていってほしい」と期待を寄せた。

■運営費削減に努力

 プロ野球2軍の年間運営費は5億~10億円とされる。くふうハヤテは拠点間の距離が長いウエスタン・リーグ所属になり、遠征費が膨らんだ。ホテルは2人部屋を基本とするなど費用を抑える努力をしている。

 数年は母体のハヤテグループが運営を支えるが、将来は独立した球団経営が求められる。池田球団社長は「初年度から黒字は難しいが、鍵になるのが地域密着」と分析する。

 球団のスポンサーは県内外で5社。今季中に約10社まで増える見込み。今後は県民無料招待をきっかけにした集客に力を入れ、グッズ販売も促進しながら地域浸透を図り、地元企業に球団の意義を伝えていく。