【取材メモ】奥会津デジタルアーカイブ 文化発信の効果期待

AI要約

只見川電源流域振興協議会がデジタルアーカイブシステムを導入し、地域の文化財や歴史資料を活性化する取り組みが始まった。

新潟大人文学部との協力で約300件の考古資料や映像資料が公開され、奥会津地域への関心向上や新たな価値の創造が期待されている。

只見川電源流域振興協議会と新潟大学が包括連携協定を結び、人材育成や地域活性化に向けた取り組みが推進されている。

【取材メモ】奥会津デジタルアーカイブ 文化発信の効果期待

 福島県の奥会津7町村(柳津町、三島町、金山町、昭和村、只見町、南会津町、檜枝岐村)でつくる只見川電源流域振興協議会は、各町村の文化財や歴史資料を閲覧できるデジタルアーカイブシステム「Open OKURAIRI」の運用を開始した。地域の財産を記録に残すと同時に、活性化につなげる取り組みに注目が集まっている。(会津坂下支局長・伊東 一浩)

■内容は随時追加

 新潟大人文学部と協力し、準備を進めてきた。縄文土器などの考古資料約300件、民具約30件、広報紙約130件のほか映像資料も公開しており、今後も随時追加する。

 デジタル化データを共有することによる新たな価値の創造、情報公開による奥会津地域への関心の高まりなどにつなげる狙いがある。

■活用に向け協定

 システムを活用した人材育成や地域活性化に向け、只見川電源流域振興協議会と新潟大人文学部、同大大学院現代社会文化研究科は包括連携協定を締結した。

 柳津町の斎藤清美術館で行われた締結式に臨んだ同協議会長の押部源二郎金山町長は「データの蓄積、活用方法を検討し、人材育成に寄与したい」、同研究科長の番場俊教授は「地域の貴重な文化資源の掘り起こし、保存、活用は喫緊の課題だ」と述べた。

■広く利用可能

 アーカイブは無料で閲覧でき、画像などは多くが申請不要で二次利用可能となっている。交流サイト(SNS)への投稿なども可能で、奥会津の文化財が「開かれた存在」になった格好だ。

 開発に携わった新潟大の榎本千賀子助教は「奥会津を多様な市民が集う創造の地とすることに貢献する」と思いを語った。

(会津版)