日本遺産「鬼が仏になった里『くにさき』」が国の重点支援地域に 九州では2例目、情報発信や伝統行事の運営など評価

AI要約

文化庁は23日、大分県豊後高田、国東両市の「鬼が仏になった里『くにさき』」が日本遺産の重点支援地域に選ばれたことを発表した。

「くにさき」は最新の技術や伝統行事の取り組みが評価され、国の補助率が5%アップした。

他の日本遺産には協議中のものもあり、活動と計画の修正が求められている。

日本遺産「鬼が仏になった里『くにさき』」が国の重点支援地域に 九州では2例目、情報発信や伝統行事の運営など評価

 文化庁は23日、地域の文化財を観光資源として積極活用する「日本遺産」のうち、大分県豊後高田、国東両市の「鬼が仏になった里『くにさき』」を重点支援地域に選んだと発表した。最新の技術、手法を生かした情報発信や伝統行事の運営などの取り組みが評価された。全国のモデルとなる地域として、活動への国の補助率が5%アップする。県内初、九州では2例目。

 「くにさき」は2018年度に日本遺産に認定された。初めての更新を迎え、日本遺産審査・評価委員会が6年間の事業成果と今後3年間の地域活性化計画を審議した。

 「格上げ」と評価されたポイントは▽具体的ビジョンを盛り込んだ地域活性化計画を作成し、チェックしながら推進▽国東半島をインターネット配信でPRするキャラクター(バーチャルユーチューバー)を制作▽修正鬼会(しゅじょうおにえ)の運営のためにクラウドファンディングを活用―など。

 両市は九州の日本遺産事務局と連携してブロック協議会を立ち上げるなど、日本遺産がある他地域との横のつながりも深めている。

 同じ18年度に認定された日本遺産13件のうち、今回、重点支援地域に選定されたのは2件。

 事務局の豊後高田市教委文化財室、松本卓也主任は「活動が評価されて光栄。今後は国東半島を楽しむための旅行ツアーなどを企画し、多くの人に魅力を体験してもらえる機会を提供していく」と話した。

 県関係では、江戸時代の儒学者広瀬淡窓が開いた私塾「咸宜園(かんぎえん)跡」(日田市)をはじめ、水戸市、栃木県足利市、岡山県備前市の4自治体の旧教育施設で構成する「近世日本の教育遺産群」は、認定更新を保留する「再審査」となった。

 年内に公表される再審査の結果次第で、認定取り消しの可能性がある。協議会長の高橋靖水戸市長は「活動や計画の修正すべき箇所を協議会内で至急話し合い、認定継続となるよう尽力する」とコメントを出した。