舟屋台 ゆらり幻想的 コロナ禍越え5年ぶりこぎ出す 浜松・天竜区春野の新宮神社「祇園祭」

AI要約

浜松市天竜区春野町和泉平の新宮神社で夏の大祭「祇園祭」が執り行われ、舟屋台が5年ぶりに神社前の新宮池をこぎ出し、幻想的な雰囲気が漂った。

新宮神社は標高約650メートルに位置し、舟屋台巡航や華やかな花火が楽しまれた。

地元の大工が舟の修復を行い、祭りの伝統を守ることを誓った神社宮司が安心の思いを語った。

舟屋台 ゆらり幻想的 コロナ禍越え5年ぶりこぎ出す 浜松・天竜区春野の新宮神社「祇園祭」

 浜松市天竜区春野町和泉平の新宮神社(原山克美宮司)で20、21の両日、夏の大祭「祇園祭」が執り行われた。明かりをともした舟屋台が5年ぶりに神社前の新宮池をこぎ出し、幻想的な雰囲気に見物客から感嘆の声が上がった。華やかな花火も打ち上げられ、住民や地区出身者が楽しいひとときを過ごした。

 新宮神社は標高約650メートルの山頂に位置し、大祭は江戸時代末ごろに始まった。太鼓や笛を奏でながらの舟屋台巡航が特徴だが、新型コロナウイルス禍で中断している間に舟の底部が傷み、昨年は池の縁に浮かべるのみにとどまった。神社が修理を依頼した地元の大工山崎勝さん(73)が底の腐食部分を削って修復する作業を完了させ、こぎ出せるようになった。

 ちょうちんの光が池を照らす中、おはやしの音を響かせながら舟屋台はゆらりゆらりと動いた。スターマインなどさまざまな花火が対岸から打ち上がり、拍手が起きた。

 新宮池には大蛇伝説や、長野県の諏訪湖とつながっているとの言い伝えが残る。原山宮司(77)は「伝統ある舟屋台をこぎ出すことができて安心した。地域の文化を守っていきたい」と話した。