マダイの魚価が20年前の4分の1に ヒラメやアコウは半値 魚食減った影響?

AI要約

広島県尾道市でマダイの魚価が20年以上で4分の1に下がり、水産振興ビジョンを策定。

漁獲量の変動や需要の変化により、他の魚種の魚価も影響を受けている。

地産地消推進や販路開拓、外国人向けPRを進めるなど、市が様々な取り組みを行っている。

マダイの魚価が20年前の4分の1に ヒラメやアコウは半値 魚食減った影響?

 広島県尾道市で最も漁獲量の多いマダイの魚価が、20年余り前の4分の1に下がっている。市は本年度から5年間の水産振興ビジョンを策定。都市圏などをターゲットに、他の魚種を含め産地ブランド化に力を入れる。

 1998年度に3509円だったマダイの1キロ当たりの卸値は年々低下。新型コロナウイルス禍の2020年度に653円まで下がり、22年度は927円だった。チヌは98年度の5分の1に。ヒラメ、アコウ、スズキは、ほぼ半額になった。

 市農林水産課は、家庭での魚食が減った影響が最も大きいとみる。海水温の上昇や稚魚放流の効果で漁獲量が増え、魚価が下がった魚種もある。一方、需要の高いタコ、イカや漁獲量の少ないアナゴの魚価は上がった。

 市などは飲食店で魚料理を一層楽しんでもらう「地魚エール祭り」や活魚を販売する「水産まつり」を開くなど地産地消を推進してきた。今後は関東・関西での販路開拓や外国人向けのPRにも注力する考えで、専門の地域おこし協力隊員を10月から任用するため選考を進めている。

 同課は「安定して取れるマダイやチヌが都市圏で売れれば漁業者の所得向上につながる。カルパッチョなどの料理を提案したい」としている。