「きつかった分、達成感がすごい」標高2956メートルの山頂で歌う校歌 中央アルプス駒ヶ岳へ中学生の学校登山

AI要約

上伊那地域の中学2年生による中央アルプス駒ケ岳への学校登山が始まった。今年は10校が計画し、生徒たちは八丁坂を登り切り、山頂で達成感を味わった。

中川中と飯島中は生徒や保護者の負担を考慮し、学校登山を取りやめた。伊那市高遠中は南アルプス仙丈ケ岳に登る。

伊那中や春富中、宮田中などの学校は山小屋に宿泊しながら日帰り登山を楽しんでいる。中部地方の学校登山事情が様々な理由で変化している。

「きつかった分、達成感がすごい」標高2956メートルの山頂で歌う校歌 中央アルプス駒ヶ岳へ中学生の学校登山

 上伊那地域の中学2年生による中央アルプス駒ケ岳(2956メートル)への学校登山が22日、辰野中学校(辰野町)を皮切りに始まった。駒ケ岳へ登る中学校の事務局を務める宮田中(宮田村)によると、今年は全14校のうち10校が計画している。一方、飯島中(飯島町)と中川中(中川村)は生徒や保護者の負担を考え、本年度から取りやめた。

 辰野中の生徒121人は午前8時半過ぎ、曇り空で霧も立ちこめる中、ロープウエーの千畳敷駅(約2600メートル)を出発した。急登が続く八丁坂で生徒たちは「ヤッホー」と元気に叫んだり、「大丈夫?」と互いを気遣ったり。雲の切れ間から時折青空を望みながら、正午ごろ登頂した。

 須田涼香さん(14)は「きつかった分、達成感がすごい。山頂から見る市街地は、霧がかかっていても幻想的できれい」と話していた。

 駒ケ岳へ登る10校のうち、日帰りは7校。伊那市の伊那中、春富中と、宮田中は、山頂近くの山小屋に宿泊する。

 学校登山を取りやめた中川中は、装備の購入が必要な一方、天候不順で中止になったり、高山で生徒が体調を崩したりするため、保護者や生徒の負担を考えたという。飯島中も、天候が読めず、生徒や教員の負担も大きい―と中止に。毎年秋に行う地元の傘(からかさ)山(1542メートル)への登山は続ける。

 伊那市高遠中は南アルプス仙丈ケ岳に登る。同市長谷中は1・2年生により隔年で学校登山を行っており、今年は地元でキャンプをした。