コロナ、県内急拡大 感染者数1カ月で倍増 第11波、夏休みピークか

AI要約

石川県内で新型コロナウイルスの感染が急速に広がっている。感染者数が増加し、変異株「KP・3」が主流になってきた。専門家は第11波がピークを迎える可能性があると警告。マスク着用やワクチン接種の重要性が強調されている。

新型コロナの感染は石川県内でも増加傾向で、定点医療機関での感染者数が急増している。夏休み期間中にさらなる感染拡大が懸念されている。

KP・3はオミクロン株から派生し、感染力や免疫逃避力が強いとされている。谷内江氏は免疫の低下に警鐘を鳴らし、特に高齢者や基礎疾患のある人の予防が重要と述べている。

コロナ、県内急拡大 感染者数1カ月で倍増 第11波、夏休みピークか

 石川県内で新型コロナウイルスの感染が急速に広がっている。今月8~14日に定点医療機関48カ所から報告された感染者数は372人(1定点当たり7・5人)で、1カ月前の約2倍に増加。変異株「KP・3」が主流になってきたことが一因とみられる。専門家は今後、人の移動が活発になる夏休み期間中に「第11波」がピークを迎える可能性があるとし、マスク着用やワクチン接種など基本的な対策をあらためて意識するよう呼び掛けている。

 県によると、定点医療機関の感染者数は6月17~23日が151人(1定点当たり3・15人)、同24~30日が182人(3・79人)、7月1~7日が228人(4・75人)と増加を続け、8~14日も前の週を上回った。増加は3週連続で、300人を超えるのは3月11~17日以来となる。

 新型コロナは5月ごろから全国的に再拡大の兆しが見られ、7月の2週目は全国で1医療機関当たりの感染者数が11・18人と10週連続で増加した。流行しているKP・3は、冬に多く検出されたオミクロン株「JN・1」から派生したもので、東大の研究チームはJN・1より広がりやすく、感染やワクチンによって得た免疫を逃れる力が強いとの分析結果を発表している。

 感染症対策担当の県顧問を務める谷内江昭宏金大副学長(70)によると、最近の新型コロナの流行は、ピークから3カ月ほどで落ち着くパターンが多い。夏休みに入り、今後は帰省などで人流がさらに活発になるとみられ、「ピークはまだ先の可能性がある。少なくとも夏休みの間は注意が必要だ」と警鐘を鳴らした。

 谷内江氏は、特に高齢者や基礎疾患のある人は予防が重要と指摘し、「マスクを着用するなど、病院や高齢者施設に持ち込まないこと。本人だけでなく、家族も感染リスクを考えて行動してほしい」と述べた。

  ●感染1年経過で免疫低下

 また、感染やワクチン接種の経験があっても、時間がたっている場合は要注意だとし、「例えば感染から1年以上たっていれば、免疫は弱くなっている。最新のワクチンを接種して備えるべきだ」と強調した。