なぜ?雨の日だけ境内に響く音色は「鉄琴を奏でるよう」 武田信玄の側室ゆかりの長野県の寺

AI要約

長野県岡谷市湊の小坂観音院境内で雨の日にだけ聞こえる音色がある。アルミ製のベンチが雨粒に当たり心地よい音を奏でる。

ベンチは2006年に寄贈され、武田信玄の側室である由布姫の供養塔側に置かれている。不思議なことに音色が聞こえるのは特定の位置のみで、雨量が増えると音が変化する。

小坂観音院の住職は、梅雨の時季にベンチと雨粒が奏でる音色を賞賛している。

なぜ?雨の日だけ境内に響く音色は「鉄琴を奏でるよう」 武田信玄の側室ゆかりの長野県の寺

 長野県岡谷市湊の小坂観音院境内で雨の日にだけ聞こえる音色がある。発生源はアルミ製のベンチ。参道の石畳を歩くと、高い木々から落ちる雨粒がベンチに当たり「カラ、コロ、キン」と、心地よい音を響かせている。

 ベンチは幅約150センチ、奥行き約45センチ、高さ約40センチで、諏訪信用金庫(岡谷市)が2006年に寄贈した。武田信玄の側室で悲劇の姫として知られる由布姫の供養塔側の境内に置かれている。

 不思議なことに、音色が聞こえるのはベンチに向き合う位置のみ。雨量が増えると鈴が転がっているような音になる。耳を澄ませてベンチの周りを歩くと、立つ位置でも聞こえ方が変わる。

 小坂観音院の桑沢宥隆(ゆうりゅう)住職(48)は、梅雨の時季に雨粒とベンチが作り出す偶然の音色を「生き生きと鉄琴を奏でているようです」とたたえている。