北陸新幹線の福井県内開業から4カ月…4割が「不便になった」の声 アンケートで分かった根強い不満

AI要約

北陸新幹線やハピラインふくいの開業により、福井県内での利便性に関する読者アンケートが実施され、不便な点が便利な点を上回る結果となった。特に関西・中京方面へのアクセスに関する不満が根強く、2次交通の維持に対する危機感が表明された。

不便を感じる理由として、敦賀駅での乗り換えの面倒さや特急列車の全席指定への不満が挙げられた。さらに、鉄道会社間での交通系ICカードの利用に制約があることも指摘された。

新幹線効果を高めるアイデアや地域への提案として、県内への修学旅行企画や2次交通の拡充を求める声が寄せられた。また、第三セクターの地域鉄道との連携強化を求める声も多かった。

北陸新幹線の福井県内開業から4カ月…4割が「不便になった」の声 アンケートで分かった根強い不満

 北陸新幹線の福井県内開業から4カ月を機に、福井新聞の「ふくい特報班」(ふく特)が行った読者アンケートでは、新幹線やハピラインふくいの開業で「不便になった」との回答が4割を超え、「便利になった」との回答を大きく上回った。4月の前回調査と割合はほぼ変わらず、敦賀での乗り換えが必要になった関西・中京方面へのアクセスに根強い不満があることがうかがえる。路線バスやタクシーなど2次交通の維持に対する危機感を訴える声も多かった。

 北陸新幹線やハピラインふくい開業後の利便性に関する設問で、「不便になった」は41・6%、「便利になった」は11・9%。前回調査の「不便」(43・1%)、「便利」(11・8%)とほぼ同じ割合となり、前回調査から3カ月たっても不満が解消されていない現状が浮かび上がった。

 「不便になった」と答えた理由は、「関西、中京へ行くのに乗り換えが面倒」という意見が圧倒的に多かった。敦賀駅での乗り換え時間の短さと構内での移動距離の長さ、特急しらさぎやサンダーバードが全席指定になったことへの不満も複数あった。「県外のJR駅でハピラインふくいのきっぷが買えない」との声をはじめ、鉄道会社間で交通系ICカードの利用に制約があることへの指摘もあった。

 「“新幹線効果”を高めるためのアイデア」を尋ねた自由記述では、「県内への修学旅行や遠足の企画」「石川・富山方面への旅行を促す」「観光周遊できるスタイルを」などといった促進策が寄せられた。2次交通の拡充を求める声もあり「ライドシェアによる移動手段の確保」「ハピラインでの観光列車」など新幹線以外の提案も。「早く関西につなげる」「早期全線開業」と敦賀以西ルートの実現を求める意見もあった。「米原との接続」を挙げた人は6人いた。

 交通機関やまちづくりに関する自由記述では、2次交通を取り巻く現状に危機感を抱く声が目立った。第三セクターの地域鉄道である「あいの風とやま鉄道」(富山県)や「IRいしかわ鉄道」(石川県)とハピラインによる連携強化を求める声も複数寄せられた。

 アンケートは多様な意見を探る目的で、紙面やふく特のLINE(ライン)などを通じて7月5~8日に実施。県内外の471人から回答があった。