岐路に立つ鉄路とJR四国どう導く JR四国新社長・四之宮和幸氏(西条市出身)単独インタビュー

AI要約

愛媛県出身者として初めてJR四国の社長に就任した四之宮和幸氏が、愛媛新聞の単独インタビューに応じた。

鉄道ファンになるきっかけや四国の鉄路とJR四国の将来について語られている。

愛媛企画部長時代に地域とのコミュニケーション不足を感じ、地域と会社を結ぶ橋渡し役を果たそうと取り組んだことが振り返られている。

岐路に立つ鉄路とJR四国どう導く JR四国新社長・四之宮和幸氏(西条市出身)単独インタビュー

 愛媛県出身者として初めてJR四国の社長に就任した四之宮和幸氏(59)=西条市出身=が、愛媛新聞の単独インタビューに応じた。本紙ではJR松山駅周辺再開発の話題を語ってもらったが、ほかにも愛媛と関わりのあった仕事やプライベート、ローカル線問題などに話は及んだ。意外にも鉄道ファンになったのは入社後のことらしい。2004年に南予地域で開催された観光促進イベント「えひめ町並博」で、大洲や内子の歴史的町並みに出合ってから城下町散策が趣味となり、実益を兼ねて列車で旅をするという。鉄道旅で何を思うのか。岐路に立つ四国の鉄路とJR四国を、新社長はどう導くか-。

 しのみや・かずゆき 西条高卒、京都大院修了。1989年JR四国入社。愛媛企画部長、鉄道事業本部営業部長、取締役財務部長などを歴任。2020年に総合企画本部長に就き、22年に専務。24年6月から社長。西条市出身。

■四国の発展なくしてJR四国の発展なし

-社長交代を発表した5月の会見で、四之宮社長は四国のことを「運命共同体」と呼んだ。どんな意味を込めたのか?

 JR四国は人流を事業のドメイン(領域)としている。四国の発展なしにJR四国の発展はあり得ない。四国が直面する人口減少の問題は、われわれにとって深刻な経営課題であり、自治体にとっても共通の課題だと思う。

 全国とつながる鉄道ネットワークを通じた交流人口の拡大、駅を中心としたコンパクトなまちづくりなど、四国のために果たすべき役割は大きいと感じている。国鉄改革によって生まれ、四国に根差した民間企業として、地域の発展に貢献したい。この思いは、愛媛企画部時代に地域の皆さんと接する機会が多かったことも根底にある。

■外から会社を見る目が養えた愛媛企画部時代

-愛媛企画部長を務めたのが04年から約2年。今も印象に残る出来事は?

 04年は町並博があった年だ。地域の皆さんや自治体の担当者と顔を合わせるチャンスがとても多かった。思い知らされたのは「JR四国のやっていることは何も伝わっていない」ということだった。

 今でこそ夕日で有名になった予讃線海回りの下灘駅だが、青春18きっぷのポスターの題材になって「聖地化」しているのに、当時あまり知られていなかった。もっと宣伝をしないといけないと思い、あちこちでプレゼンをして回った。

 当時、JR四国と地域の間には窓口がなかった。地域と会社を結ぶ接着剤的な橋渡し役をしなければならないと感じ、たちまち取り組んだのが南予の営業推進プロジェクトだ。