【独自】岡山県美術家協会が解散へ 研さん重ね20年、会員減り高齢化

AI要約

岡山県内最大の美術団体「県美術家協会」が存続困難になり、20年の活動に幕を閉じることを決定した。

結成当初に比べ会員が3分の1にまで減少し、若手作家の不足や高齢化などが解散の原因とされている。

会長の蛭田二郎さんは「自由な表現を追求してほしい」と述べ、今後の作家たちの活躍を期待している。

【独自】岡山県美術家協会が解散へ 研さん重ね20年、会員減り高齢化

 絵画や立体造形、写真、デザインなど分野や会派を超えて郷土の作家が集い、互いに研さんを重ねる岡山県内最大の美術団体「県美術家協会」が18日までに解散を決めた。会員の減少や高齢化などで存続が困難になったためで創設から20年を節目とし、活動に終止符を打つ。

 2010年に県内で初めて開催された「国民文化祭」への協力と機運盛り上げに向け、日本芸術院会員の彫刻家蛭田二郎さん(91)を中心に04年に結成した。同祭終了後も、郷土の文化振興と作家の交流促進を目指して活動を継続。定期的に展覧会を開き、若手からベテランまでの所属作家たちに作品発表の場を提供してきた。

 17年には体制を強化するため一般社団法人化したものの、創設時には約600人を数えた会員は今年6月末時点で200人と、3分の1にまで減少。役員の高齢化や新規入会を希望する若手作家が減ったこともあり、3月に解散の方針を決定した。6月下旬の臨時総会で正式に決議し、現在は清算手続きを進めている。

 発足時から会長を務めてきた蛭田さんは「残念な思いはあるが、岡山の美術界の裾野を広げる上で一定の役割を果たせた。今後は作家一人一人が自身の主張を大切に、自由な表現を追求してほしい」と話している。