子育て・防災テーマ多彩 飯田女子高校Eクラスの探究活動【長野県飯田市】

AI要約

飯田女子高校で子育てと防災をテーマにした探究学習が行われ、生徒たちは一般参加型のイベントを開催した。子育て中の母親との交流や謎解きゲームを通じて、参加者と一緒に学び考える機会を提供した。

後藤咲季さんは「子育てイメージアップ大作戦」と題した母親との交流イベントを企画し、他校の生徒も参加。子育てに対するマイナスイメージを持っていた後藤さんが、実際に話を聞くことで認識を改めた経緯が紹介されている。

原麻衣さんは防災をテーマにした謎解きゲームを考案し、参加者は楽しみながら防災知識を身につけた。主体的な学びや地域の協力の重要性が強調されている。

子育て・防災テーマ多彩  飯田女子高校Eクラスの探究活動【長野県飯田市】

 飯田女子高校で「子育て」と「防災」をテーマにそれぞれ探究学習をしている2人が15日、長野県飯田市上郷公民館で一般参加型のイベントを開いた。子育て中の母親との交流や、なぞ解きゲームを通じ、参加者とともに学び、考えを深めた。

 自ら考えて興味を掘り下げる力を養う「探究活動」の一環。同校Eクラスの生徒は個人でテーマを設定して調べ学習をしたり、校外へ繰り出して学んだりしてきた。

 高校生が子育てについて学ぶ場をつくろうと、後藤咲季さん(18)は「子育てイメージアップ大作戦」と銘打った母親との車座集会を企画。飯田下伊那地域の3高校から14人が参加し、子育て中の母親から大変なことや魅力を聞いた。

 子育てに対して「自分の時間が取れない」などマイナスイメージを持っていた後藤さんは、昨年の夏休みに飯田短期大学内にある地域子育て支援拠点「わいわいひろば」でボランティアを経験。利用する親が自分たちの息抜きではなく、「子どもが楽しめるように」と訪れていると知ったことなどから「イメージと実情は違うのかも」―と子育てする親から直接話を聞こうと企画した。

 3月に校内向けに開いて以来2回目の開催。知り合いを通じてチラシを配ったり、各校へ訪れて依頼したりして飯伊の公立高校6校へも参加を呼び掛けた。

 子育てする6人の母親から、用意したトークテーマをもとに話を聞いた。魅力や幸せな瞬間について母親たちは「子どもの成長を感じられる」「多くの人に支えられていると実感する」と回答。母親が生徒たちに質問する時間もあり、和やかな雰囲気の中で交流した。

 下伊那農業高校1年の生徒は「大変なことが多いと思っていたけれど、成長やかわいさなどプラスな意見を聞けた」。後藤さんは「対面で話を聞いて、子育てを通して感じられる幸せが分かった。子育てについて高校生が勉強する機会がないことも課題の1つだと思った」と話していた。

 原麻衣さん(17)は、1月1日の能登半島地震を受けて「防災」をテーマに謎解きゲームを考案した。高校生や一般の14人が参加。クイズを解きながら楽しく防災の知識を学んだ。

 原さんはこれまで、飯田市危機管理課に市の防災体制を聞くなどして学びを深めてきた。災害時などに周りの人と助け合う「共助」の重要性に触れ、「協力し合わないと解き明かせない状況をつくり、主体的に学んでほしい」として謎解きゲームを企画した。

 参加者は3チームに分かれ、出題された謎を解いていった。緊急通報や安否の録音・再生ができる災害用伝言ダイヤル(171)や、1961年の三六災害などに関する全7問で、解答するととスタッフが解説した。新聞紙を使った簡易スリッパやペットボトルランタンを紹介する場面もあった。

 友人と参加した飯田女子高1年の生徒は「楽しみながら知識を得られた。覚えておいて、生かしたい」と話していた。原さんは「協力してすらすら解いていく『共助』の姿があった。どんな場面でも主体的に動くことの大切さを伝えられた」と話していた。