「おじぃを探知しました」スマホに届いた通知 認知症患者の迷子捜索をスピード解決したのは“街の自販機”だった

AI要約

80代男性が浦添市で行方不明になり、数キロ離れた宜野湾市で保護される。

男性は携帯していた装置が反応し、家族と警察による捜索の末、無事見つかる。

沖縄では認知症患者の行方不明が深刻な課題であり、認知症患者を見守るシステム「ミマモライド」が役立っている。

「おじぃを探知しました」スマホに届いた通知 認知症患者の迷子捜索をスピード解決したのは“街の自販機”だった

今年の4月中旬。浦添市内で行方不明になっていた80代男性が、数キロ離れた隣の宜野湾市で保護された。

午後6時ごろ、男性が浦添市の自宅からいなくなっていることに家族が気付き、捜索を開始。その後宜野湾市の国道沿いで、男性が携帯していたある装置が反応し、スマートフォンに通知が届いた。

■スマホに通知「おじぃを探知しました」

▽認知症の父を持つ比嘉さん

「ガードレールにしがみついて、疲れ果てたんでしょうね。飲んだビールの缶を持ってもたれかかって寝ていたのを発見しました」

「ホッとしました、家族も私たちも警察と連絡を取りあったりとか、3時間~4時間ずっと探し回っていたので、見つかったときはホッとしました。けがはなかったので」

高齢者の7人に1人が認知症といわれる沖縄では、毎年120人の認知症の人が行方不明になっていて、“道迷い”は命に直結する深刻な課題だ。男性が数時間で見つかったのは、不幸中の幸いだった。

男性の捜索に役立ったのは、認知症患者にタグを携帯させる「ミマモライド」というシステムだ。自動販売機に認知症の人を見守る機能が設置されていて、付近を通過したタグに反応すると、保護者のスマートフォンにLINEアプリで位置情報を送信することができる。

▽喜久本愛理リポーター

「500円玉大ほどの発信機を身につけて自販機の前を通るとスマートフォンに通知が行く仕組みになっています」

7年の歳月をかけて「ミマモライド」を開発した、合同会社トキニライドの開発者はー

▽トキニライド・平良斗星さん

「捜索をしている方々は、自分の仕事を投げ打って街じゅうを捜索することになると聞きまして、大変な思いをしている捜索者の目線に立って開発をした」

捜索者の目線で開発された「ミマモライド」の導入が最も進んでいるのが、本島中部、宜野湾市だ。

▽宜野湾市・介護長寿課 志良堂孝さん

「高齢化率が低いのにも関わらず認知症の高齢者の割合が高いのではないかというデータがありました。その中で、早めに認知症の施策に取り組んでいこうと」