鹿児島県 大島地区7月子牛競り 平均価格40万円まで下落 枝肉価格「弱気配」、熱中症示す子牛も

AI要約

JA県経済連肉用牛課奄美市駐在は、7月の大島地区子牛競り市結果をまとめ、40万円台ぎりぎりまで値を下げたことを公表した。

全体の入場頭数は1878頭で、平均価格は前回比で下落し、特に肥育に入って増体が見込めない子牛には極端に下落した印象を受けた。

競り日齢や相場の状況を詳細に分析し、商品性向上の対策や夏場の子牛飼養管理への注意を呼び掛けている。

鹿児島県 大島地区7月子牛競り 平均価格40万円まで下落 枝肉価格「弱気配」、熱中症示す子牛も

 JA県経済連肉用牛課奄美市駐在は12日、7月の大島地区子牛競り市結果をまとめ、公表した。子牛市況の総平均は前回(今年5月)の44万430円から3万6997円下落の40万7373円となり、40万円台ぎりぎりまで値を下げた。枝肉価格が「弱気配」であることが下落につながった中、商品性向上対策が求められている。

 7月競りは2日の与論市場から開始、7日の奄美大島、喜界市場で終了した。全体の入場頭数は1878頭(雌864頭、去勢1014頭)で全て売却。平均価格は雌34万1669円(前回比3万1762円安)、去勢46万3358円(同3万4079円安)といずれも下落した。肥育に入って増体が見込めそうにない子牛については、市場関係なく極端に下げた印象を受けたという。

 合計平均価格にかかわる市場ごとの順位をみると、与論の43万3072円を筆頭に、徳之島、沖永良部、奄美大島、喜界の順。購買者から見た子牛評価の指標である平均単価(キロあたり)で市場を格付けすると、与論の1582円を筆頭に、沖永良部1512円、徳之島1455円、喜界1427円、奄美大島1333円の順。競り日齢にかかわる市場ごとの若齢順位は、喜界253日、与論・沖永良部264日、徳之島268日、奄美大島270日の順となっている。

 相場の状況について同駐在は「体高がなく体重が重い子牛、体高はあるが首や前幅の薄い子牛、発育・毛つやが悪く疾病の疑われる子牛については特にスタート時の競りボタンの押しが弱かった」と振り返る。また、熱中症を示す子牛が多く感じられたという。子牛価格が下落する時は、商品性の低い子牛は特に大きな下落幅となることから、「生後3か月までの餌付け用飼料をしっかり給与し、骨格と腹袋をつくることを意識して、相場に大きく左右されない飼養管理に励んでいただきたい」と呼び掛ける。

 夏場は猛暑、台風などにより子牛の飼養管理に一層ばらつきが出やすい時期。同駐在は「こまめな餌の給与、水回りの清掃、床替え、ファンの回転数などに気を使って、商品性向上対策に努めていただきたい」と指摘する。