労使紛争ついに和解「円滑な労使関係の構築に努める」千歳相互観光バス ベアや最終バスの繰り下げ認める
千歳相互観光バスと組合が1年半に及ぶ労使紛争を経て、ベースアップや最終バスの繰り下げを含む和解に至った。
運転手不足を理由に路線廃止や最終バス時間繰り上げなどが問題視され、組合と会社側の交渉は長期にわたっていた。
和解により社員の不法行為認められ、ベースアップや最終バス繰り下げが決定、地域住民も満足の意を示している。
去年4月に24時間ストライキを決行するなど労使紛争が続いていた千歳相互観光バスで、会社側がベースアップや最終バスの繰り下げを認め組合と和解しました。
札幌地域労組 千歳相互バス支部 江崎毅支部長)
「ここが終わりじゃなくこれが始まり。ここに住んでいる方々によりよいサービスが提供できればいいなと思いながら今後も活動していきたい」。
おととし12月に始まった組合と会社側の労使紛争がおよそ1年半の時を経て、今月8日、ついに和解しました。
札幌地域労組 鈴木一 副委員長)
「なんかあんまりやる気が感じられないんですよ。僕からすると」。
会社)「大前提として…」
札幌地域労組 鈴木一 副委員長)
「ちょっと待ってください!」。
千歳市で路線バスを運行する千歳相互観光バスでは、これまで6度の団体交渉が行われてきました。
去年4月には、待遇の改善などを求めた組合と会社側の交渉が決裂し、24時間ストライキを決行。その後も、バスの不正整備や産業廃棄物の不法投棄など会社側の問題が相次いで発覚しました。また、会社は運転手不足を理由に今年3月に2つの路線を廃止。4月には最終バスの時間を繰り上げました。
組合側は、今いる運転手の人数でも路線や便数を減らす必要はなかったとして、ダイヤの改正を提案しましたが会社は認めず交渉は平行線の状態が続いていました。
ところが今月8日、会社はこれまで社員に不法行為をさせていたことを突如認め、組合が求めていた3000円のベースアップを決めました。最終バスの繰り下げも検討しています。
千歳市民)
「終バスがなくなってしまうとタクシーしか交通手段がなくて。すごいありがたい。(組合が)行動してくれて終バスが繰り下がるのはすごくいいことだと思う」。
札幌地域労組 鈴木一副委員長)
「組合が意識してきた『地域住民の足を守るべきだ』というところが伝わったかなと思います」。
会社は労使紛争が和解したことについて、「今後、円滑な労使関係の構築に努める」としています。