ドラレコの「犯人」は殺人事件の被告か 検察側バーチャル人形「アバター」使い合致主張も弁護側反論

AI要約

大阪府羽曳野市で起きた殺人事件の裁判員裁判は、証拠不足の難解な裁判であり、16人の証人が出廷する異例の展開となっている。

被告人と犯人の身体的特徴を比較する画像解析が行われ、検察と弁護側で意見が対立している。

事件は2018年に起き、犯人が逮捕されたのは4年後。捜査対象となっていた山本被告は無実を主張している。

ドラレコの「犯人」は殺人事件の被告か 検察側バーチャル人形「アバター」使い合致主張も弁護側反論

大阪府羽曳野市で起きた殺人事件の裁判員裁判。

直接証拠がない難解な裁判は3カ月に及び、16人の証人が出廷するなど異例の展開となっています。

2回目の論告・弁論では、画像解析から被告人と犯人の特徴を比較。

検察はバーチャル空間で作製した3次元の人形“アバター”などを用いて、「身体的特徴は概ね合致する」と指摘し、弁護側は「“一致”との結論に至らず証明力認められない」と主張しました。

事件が起きたのは2018年。

羽曳野市の路上で会社員の平山喬司さん(当時64歳)が、刃物で一突きされて死亡しました。

それから4年後に逮捕、起訴されたのが平山さんの知人女性宅の隣に住んでいた山本孝被告(48)です。

山本被告は、事件が起きた当初から捜査の対象となっていましたが、一貫して無実を主張しています。

6月から始まった異例づくしの裁判。

一般的な裁判では、検察側が求刑などを行う「論告」と弁護側がどれぐらいの刑が相当か意見を述べる「弁論」は1回で終了しますが、今回は犯人の行動や動機などに分けて検察・弁護側双方が証拠について意見を述べる中間的な論告・弁論が3回行われます。

(当初4回設定)

8日に行われた2回目の論告・弁論は、犯人とみられる人物が映ったドライブレコーダーの映像解析をもとにした、犯人と山本被告の身体的特徴が一致するかについて。

この論告・弁論に向けては、裁判で2人の画像解析の専門家が検察側の証人として出廷しました。

まず1人は逮捕当日に、大阪府警からの嘱託を受けて画像鑑定をした専門家です。

写真をもとにコンピューターのバーチャル空間で3次元の“アバター”といわれる分身のような山本被告の人形を作製。

この“アバター”と犯行現場周辺の車のドライブレコーダーに映った犯人とみられる人物を重ね合わせた結果、身長や体格、膝や関節の位置に「矛盾はない」と証言しました。

また、もう1人も捜査にかかわった専門家で、ドライブレコーダー映像の解析から、犯人とみられる人物の身長は180~181センチ程度、約8等身であり、山本被告(181.2センチ、約8等身)と比較して「誤差の範囲内」と証言しました。

一方で、2人ともカメラ映像に映る犯人とみられる人物の顔については、画像が不鮮明なことから、「(どんな顔かすら)判定できない」と述べました。