「買い物決済と並ぶ仕組みにしたい」 QRコードで電話 国内初のサービスを提供開始、レブコム

AI要約

音声解析AI(人工知能)開発を手がけるレブコムは、スマートフォンでQRコードを読み取ることで電話をかけられる新サービスを提供開始した。

新サービスではQRコードをスキャンして特定の電話番号に音声発信できるほか、マーケティング施策にも活用できる。

同社はこれまでの通話解析サービスに新たなサービスを追加し、新たなビジネスモデルを展開している。

「買い物決済と並ぶ仕組みにしたい」 QRコードで電話 国内初のサービスを提供開始、レブコム

 音声解析AI(人工知能)開発を手がけるレブコム(東京都渋谷区)は5日、スマートフォンでQRコードを読み取ることで電話をかけられる新サービスの提供を開始すると発表した。電話番号の入力なしで発信できるほか、どの媒体に掲載されたQRコードを利用したか入電経路が特定できることから、マーケティング施策にもつなげたい考えだ。

 「国内初の全く新しいサービス。QRコードを使った買い物決済や飛行機搭乗に並ぶ仕組みにしていきたい」。東京都内で開いた会見で、會田武史代表取締役はこう意気込んだ。

 開発した新サービス「MiiTel Scan to Call」は、あらかじめ発行したQRコードをスキャンすることでブラウザが起動し、特定の電話番号に音声発信できるサービス。チラシや新聞・雑誌、ウェブサイト、モバイルサイトなどメディアごとに発行するQRコードを分けることで、問い合わせの多い入電経路を特定できるようになる。

 通話前に入力フォームを用意し、発信者にアンケートを行うなど事前情報を入手した上でコミュニケーションを円滑に進めることもできるという。キャンペーン別、媒体別のスキャン回数や通話件数の測定のほか、どこから製品やサービスの情報を入手したかといったデータを可視化でき、マーケティング施策の効果検証を支援する。

 QRコードを読み取って電話をかけた発信者は無料で利用でき、料金は導入企業が負担する。同社は、0120番号を使った従来のフリーダイヤルと比べ、通話料を36%削減できると試算している。

 會田代表取締役は「0120番号を利用してきた企業から負担が重くなっているという声が増えている。新サービスはインターネットを活用したシステムなので、通話料を圧倒的に抑えることができる」と説明。ダイヤルプッシュは不要なため、間違い電話の防止や、高齢者でも簡単に利用できると期待する。

 レブコムは、主力の音声解析エンジン「MiiTel」を軸に、ビジネス上の音声コミュニケーションを記録してデータ化し、会話をAIが分析することで企業の生産性向上を支援するサービスを展開。2018年10月の市場投入以降、累計約2500社、8万ユーザーに導入されている。

 電話解析サービスとしては、インターネットを利用したクラウドIP電話「MiiTel Phone」で、電話対応のAI解析や音声感情解析、文字起こしといった機能を提供してきたが、「入電の多い経路を可視化したい」「より気軽に問い合わせしてもらいたい」といった要望が利用企業から寄せられていた。