「固定観念を取り払いたい」海鮮居酒屋店主の思い 目利きに自信、品書きびっしり

AI要約

藤田剛さんは綾部市出身で、府立工業高を卒業後に大阪市の調理師専門学校で学び、修業を積んだ後に海鮮居酒屋を開業。

彼の店舗スタイルは市場で選んだ魚介を使い、カウンター越しに料理を楽しむ形式で、ランチも提供している。

彼はお客さんの好みを考慮し、お得な海鮮丼セットを提供する一方、素材の目利きに自信を持ち、おいしい料理を追求している。

「固定観念を取り払いたい」海鮮居酒屋店主の思い 目利きに自信、品書きびっしり

 板場の黒板には注文に迷うほどの数の品書きがびっしりと並ぶ。店主の藤田剛さん(47)は「魚一つでも調理次第で数え切れないほどのメニューが浮かんでくる」と語る。

 綾部市出身。府立工業高を卒業後に大阪市の調理師専門学校で学んだ。大阪・ミナミや北新地のすし店や高級日本料理店、名古屋市や京都市のホテルなどで修業を積んだ。

 現在の店舗スタイルは最後に勤めた京都市役所近くの海鮮居酒屋で見つけた。市場で「これは」と思う魚介を仕入れ、店でカウンター越しに店主と客が会話を交わして料理を楽しむ。「厨房(ちゅうぼう)で決まった献立を作るのとは違い、仕入れで何を作ろうかと考えることに刺激を受けた」。

 37歳で綾部に戻り、父が経営していた日本料理店を引き継いだ。今の海鮮居酒屋は2014年9月に開店。「いけすも水槽もそろっていた。やりたいと思っていたスタイルができる」と話す。

 昨夏に始めたランチは新型コロナウイルス禍がきっかけ。店舗駐車場で弁当などのテイクアウトや自作のピザ窯でピザも作ったといい、苦しい時期に培ったノウハウを生かしている。

 おすすめは日替わりの「海鮮丼と白身フライ定食」だ。ごはんが隠れるほどトロやサーモンなどの刺し身を盛り付け、卵黄を添える。フライと小鉢2皿に加え、汁物として温かいうどんかそばを選べる。「海鮮丼の刺し身は6~7種類。四つの定番メニューはどれも千円以内に抑えた。お得感を味わってほしい」と話す。ランチの客が居酒屋にも通ってくるという。

 舞鶴の魚市場や京都市中央卸売市場に足を運び、その日仕入れた素材で料理のイメージを膨らませる。「目利きには自信がある。お客さんが魚種に持つ好き嫌いの固定観念を取り払い、どうすればおいしくなるかを追究したい」