【高校野球神奈川大会】「時代の流れですね」 名物スコアボードが“最後の夏” 神奈川唯一の手書き

AI要約

高校野球神奈川大会会場のいせはらサンシャイン・スタジアムの手書きスコアボードがLED化への改修工事を控える

老朽化したスコアボードは選手名と審判名が書かれた胡粉で床が白く、数々の熱戦を物語る

貝殻などが主原料の顔料を使用していたスコアボード内部は高温となり、熱中症の危険が指摘されている

【高校野球神奈川大会】「時代の流れですね」 名物スコアボードが“最後の夏” 神奈川唯一の手書き

 5日に開幕する高校野球神奈川大会で、会場の一つである「いせはらサンシャイン・スタジアム」(伊勢原市西富岡)の名物スコアボードが“最後の夏”を迎える。1991年の完成翌年から使用されてきた県内唯一の手書きのスコアボードだが、老朽化のため今冬に全面発光ダイオード(LED)化への改修工事を控える。「何とか無事に、何事もないように」と祈る関係者が、球児らのひのき舞台に備えて点検を重ねている。

 同球場は大山を背景にした小高い丘の上に立つ。スコアボード内は選手名と審判名を書いてきた胡粉(ごふん)(貝殻などが主原料の顔料)で床が白く、これまで繰り広げられてきた熱戦の数々を物語る。

 選手名が書かれた板を固定する留め具はさび付き、きしむところも。「これはこれでいい味があるけれど、時代の流れですね」と設備担当の高梨真次さん(60)。書いた文字を急いで乾燥させるために使用するドライヤーは使用電気量の関係で「2台まで」と注意書きが張られ、バックネット裏の運営本部からの連絡を受けるインターホンも聞こえにくく、スマートフォンで代用している現状からも“年輪”を感じさせる。

 日差しを遮るものがなく、スコアボード内部は高温となる。熱中症の危険が指摘され、大会期間中はスポットクーラーを設置してきた。

 市によると、スコアボードの大型ビジョン化により、係員の常駐が不要になる。