「なるべくオリジナル残す」 国内唯一・旧日本軍の戦闘機「紫電改」実機 保存に向けて航空機専門家が調査
愛南町にある紫電改の展示施設が建て替えられる前に、機体の補修方法を調査するための作業が進められている。
機体は海底から引き上げられた際、金属部分の腐食が進んでおり、補修が必要であることが判明している。
補修方法はオリジナルの形を残しながら、必要最小限の補強を行うことに重点が置かれており、新しい展示施設に移設する準備を進めている。
愛媛県愛南町にある、旧日本軍の戦闘機、紫電改を展示する施設が建て替えられるのを前に、機体の補修方法を検討するための調査が行われています。
(記者)
「46年前に引き上げられ、国内で唯一の実機が展示されている紫電改。その保存に向けた補修方法の検討が進められています」
戦闘機「紫電改」は、太平洋戦争の末期に旧日本海軍によって開発されました。
愛南町では、1978年に久良湾の海底から機体が引き上げられ、その後、県の「紫電改展示館」に移されていました。
展示館は老朽化が進み2026年度中をめどに建て替えられることが決まっていて、機体の補修方法を検討するための調査が行われています。
4日は、航空機製造などを手掛ける新明和工業の技術者が、機体を分解しながら劣化状況などを調べていました。
その結果、機体が海に沈んでいたことから、金属部分の腐食が進んでいて、特に側面の金属板がさびて穴が多数、空くなど、十分な強度が保てない状態であることが分かりました。
(新明和工業航空機事業部・郷田雄志課長)
「技術を先人から受け継いで後世に残すというところに非常に意義がある。文化財という側面があるので、極力オリジナルの形を残しつつ、移設に必要な最小限の補修・補強を加えて、なるべくオリジナルの形を残すということに主眼を置いて進める」
調査は5日まで行われ、県は、この結果を元に新しい展示施設に機体を移設するために必要な補修方法などを決める方針です。