70代男性「LINEで知り合った女に金を振り込めと…」 900万円送金直前、JA職員がお手柄 兵庫

AI要約

兵庫県警加西署が特殊詐欺被害の発生防止に貢献したコンビニや金融機関に感謝状を贈る

今年1〜4月に同署管内で特殊詐欺被害3件発生し、注意が必要との呼びかけ

高齢者を狙ったサポート詐欺が最近目立ち、店舗従業員が詐欺を疑う場面も

70代男性「LINEで知り合った女に金を振り込めと…」 900万円送金直前、JA職員がお手柄 兵庫

 特殊詐欺被害の発生防止に貢献したとして、兵庫県警加西署は加西市内のコンビニエンスストアや金融機関計4店舗に感謝状を贈った。同署の大戸英治署長は「詐欺ではないか、とお客さんに声をかけるには勇気がいる。注意しても耳を傾けない人は多い」と、丁寧な対応で被害を防いだ各店舗の従業員らに謝意を述べ、「詐欺かも、と思ったら警察に通報してほしい。すぐに署員が駆け付ける」と呼びかけた。(敏蔭潤子)

 同署管内では今年1~4月に特殊詐欺被害が3件発生。被害総額は約1千万円にのぼり、相談も16件あった。

 同署によると、最近目立つのが「サポート詐欺」。パソコンの画面に「ウイルスに感染した」と偽のメッセージが表示され、電子マネーカードを購入して修理費を支払うよう要求してくる手口だ。

 感謝状を贈られた4店舗のうち、2店舗はサポート詐欺を食い止めた。4月26日、60代の女性がローソン加西玉野店(加西市玉野町)を訪れ、「パソコンのウイルス除去に5万円が必要」と電子マネーカードを購入しようとした。5月8日にはファミリーマート西村書店加西店(同市北条町横尾)で、70代男性が18万円分の購入を申し出た。いずれの店舗でもパート従業員が詐欺を疑い、警察への通報につながった。

 両店では高齢者が高額の電子マネーカードを購入する際に注意を促し、「詐欺かも」と感じる場合は購入を思いとどまるよう説得している。しかし「自分に限ってだまされるはずがない」と応じない人もいるという。

 在田郵便局(同市上野町)では4月25日、80代の女性が高額の現金を引き出そうとした。職員が理由を聞くと「孫が仕事でミスをしたので今日中にお金を払わないといけない」と話した。JA兵庫みらい加西支店(同市中野町)では5月13日、70代男性が「LINE(ライン)で知り合った女からお金を振り込むように言われた」と話し、約900万円を送金しようとした。いずれも職員が詐欺と判断し警察に通報した。

 感謝状の贈呈は今月12日に行われ、大戸署長は「よく話を聞いて粘り強く説得してくれた」と感謝した。