橋北に屋台が復活 東鼎から譲り受け初披露 屋台囃子保存会【長野県飯田市】

AI要約

飯田市の橋北地区に屋台が復活し、保存会が初披露演奏を行った。

過去に橋北地区に多くの屋台があり、大火で焼失したが、2010年に囃子を復活させた保存会が立ち上がった。

屋台は約4メートル幅で、橋北地区文化祭で演奏され、地域住民から期待と感謝を受けた。

橋北に屋台が復活  東鼎から譲り受け初披露  屋台囃子保存会【長野県飯田市】

 長野県飯田市の橋北地区に屋台が復活―。飯田市の橋北屋台囃子保存会は22日、屋台の初披露演奏を同地区で開いた。屋台は同市鼎の東鼎地区から譲り受けたもので、保存会のメンバーは屋台の前で迫力ある演奏を披露し、新たな出発を祝った。

 橋北地区にはかつて多くの町に屋台があり、お練りまつりでのぼり屋台や本屋台、囃子屋台を引き練り歩いていたが、1947年の飯田大火で全て焼失してしまった。

 以降は橋北独自の出し物がなかったが、2010年に同地区伝統文化保存継承プロジェクトが発足。和太鼓演奏者の塩原良さんの協力で囃子を復活させ、同保存会が立ち上がった。現在は地区内外の小中学生を含む約30人が所属する。名称には屋台があるが、実際は屋台のない状態が続いていた。

 鼎東鼎地区では1960年まで、屋台囃子を矢高諏訪神社の春祭りで奉納し、地区内を練り歩いていたが、交通事情などで引けなくなり、以降は地区の倉庫で保管していた。22年のお練りまつりで同地区が保存会に譲り渡しを持ち掛けて実現した。

 屋台は幅約4メートル、高さ3メートル。演奏前に保存会が組み上げ、紅白の段幕で飾った。

 屋台の初披露目演奏は橋北地区文化祭の催しとして開催。屋台をバックに「青龍」「宮神楽」「橋北新囃子」などを1時間にわたり演奏した。獅子舞との共演や熊手を使った出し物もあり、子どもたちが元気に和太鼓をたたく姿に住民らが拍手を送っていた。

 東鼎の小木曽学区長は「立派な囃子屋台に生まれ変わり感慨深い。かつてのようにお練りまつりで屋台が練り歩くきっかけになれば」と期待。保存会の笹尾直弘会長は「大事に歴史をつないでいきたい」と感謝し、「参加の輪を広げ、橋北で生まれ、帰ってきた子どもも参加するような住民が集まる囃子屋台にしていきたい」と語った。