肥薩線「新列車も検討」 復旧時の運行体制 JR九州社長が株主総会で言及

AI要約

JR九州は21日、福岡市で株主総会を開いた。2020年7月豪雨で被災し一部区間で運休が続く肥薩線について、復旧が10年後をめどとしていることを古宮洋二社長が述べた。鉄路復旧の方向性が定まった「川線」に向けて調整を進めている一方、「山線」は方向性が決まっていない。利便性低下を懸念する声もあり、列車の減便に対応するため必要に応じて対処する考えを示した。

株主総会では取締役の選任などの会社提案が承認された。

肥薩線「新列車も検討」 復旧時の運行体制 JR九州社長が株主総会で言及

 JR九州は21日、福岡市で株主総会を開いた。2020年7月豪雨で被災し一部区間で運休が続く肥薩線について、復旧した際の観光列車を含む運行体制を尋ねた株主に対し、古宮洋二社長は復旧が10年後をめどとしていることを念頭に「まだ時間がある。どのような列車を走らせるのか、新しく造ることも含めた検討を今後進めたい」と答えた。

 運休区間のうち、「川線」と呼ばれる八代-人吉間(51・8キロ)については鉄路復旧の方向性が定まり、熊本県、国と来年3月末までの最終合意に向けて調整を進めている。一方で「山線」と呼ばれる人吉-吉松間(人吉市-鹿児島県湧水町、35・0キロ)は方向性が決まっていない。

 また、列車の減便による利便性低下を懸念する質問も複数あった。JR九州は4、5月に一部の列車で通勤時間帯の混雑状況を調べており、古宮社長は「必要に応じて車両数を増やすなど対処したい」と答えた。

 総会では、取締役の選任など会社提案の3議案を承認、可決した。(立石真一)