エフレイ初の研究代表者 ロボット、農林水産分野で3人採用

AI要約

福島国際研究教育機構(エフレイ)は、ロボットと農林水産業の研究を世界水準で推進するため、3人の研究代表者を採用したと発表した。

採用された研究代表者は、大西氏、富塚氏、二瓶氏の3人で、それぞれ異なる研究分野を主導することになる。

エフレイは現在自前研究施設を持たず、3人は現職と兼務しながら、徐々にエフレイの研究活動に移行していく予定だ。

 福島国際研究教育機構(エフレイ)は18日、国内外の大学に所属する研究者3人を研究代表者(ユニットリーダー)として採用すると発表した。エフレイ設立後のユニットリーダー採用は初めて。ロボット、農林水産業の両分野で研究体制を構築し、世界水準の成果と産業化を目指す。

 採用が決まったのは大西公平慶応大特任教授、富塚誠義米カリフォルニア大バークレー校教授、二瓶直登福島大教授の3人。

 大西氏は「遠隔操作研究ユニット」を率い、過酷環境下で働くロボット技術を開発する。物をつかむなどの繊細な力加減を目指し、廃炉作業への応用も見込む。

 富塚氏は「自律化・知能化・群制御研究ユニット」を主導。災害現場で複数のロボットやドローンを制御し、人命救助などに役立つ技術を開発する方向だ。

 二瓶氏は「土壌・植物マルチダイナミクス研究ユニット」を指揮。土壌が農作物にどのような影響を与えるかを調べ、収量拡大と農業の経営力向上に貢献する。

 エフレイはまだ自前研究施設を持たず、3人とも当面は現職と兼務になる。各10人前後の研究チームを構築し、徐々にエフレイの活動に軸足を移す見込み。

 大西、富塚両氏の研究チームは、来年4月にエフレイに統合される福島ロボットテストフィールド(南相馬市、浪江町)で活動する見通し。

 1人目のユニットリーダーは、昨年4月のエフレイ設立時に量子科学技術研究開発機構(QST)の研究室を引き継ぐ形だった。エフレイは今年3月からユニットリーダーを公募する傍ら、山崎光悦理事長らが国内外の有力研究者に直接打診を進め、今回結実した。

 計画では、2029年度までに研究チームを50まで増やす。