被爆体験者の救済をめぐる調査で厚労省「降雨の客観的事実なし」と報告【長崎市】

AI要約

厚生労働省が被爆体験者の救済に関する調査結果を公表しました。被爆地域以外の体験記における雨や飛散物に関する記述を検証した結果、客観的な事実として捉えることはできないと報告されました。

長崎県と長崎市が要望した調査は、79年前の被爆を受けた地域外での雨の記録に焦点を当てて行われました。専門家の評価に基づき、雨やその他の環境要因についての証言には信頼性の問題が指摘されました。

体験記3744件を調査した結果、客観的なデータとして取り扱うことが難しいと判断されたことで、厚労省は結論を出しました。

被爆体験者の救済をめぐる調査で厚労省「降雨の客観的事実なし」と報告【長崎市】

「被爆体験者」の救済をめぐり、厚生労働省は長崎の被爆地域以外の体験記を調べた結果を公表し、「雨が降ったことなどを客観的事実として捉えることはできなかった」と報告しました。

厚労省によりますと国立長崎追悼平和祈念館に所蔵されている被爆地域以外の被爆体験記について「雨」に関する記述は41件、「灰やすすなどの飛散物」に関する記述は159件ありました。

調査は 原爆が投下された79年前の8月9日に国が定める被爆地域以外で雨が降ったことを示す記録が含まれている可能性があるとして、長崎県と長崎市が要望したものです。

2023年7月から約1年かけて体験記3744件を調べました。

統計学や放射線疫学などの専門家は「体験記はそれぞれの思いを記述したもので降雨などを明らかにするためのデータとしては信頼性に乏しい」などと述べています。

専門家の評価を踏まえ、厚労省は「降雨などを客観的事実として捉えることはできなかった」と結論付けました。