ブラック校則のルーツ!? 校内暴力全盛期の“ツッパリ・ヤンキーブーム”から「制服」の今をひもとく

AI要約

昭和時代の「ツッパリ」文化や制服の変遷についての歴史を振り返る。

受験戦争や校内暴力など、制服を通じて表れる社会問題について考察。

ツッパリファッションが反抗の象徴として捉えられ、その背景にある時代背景や社会問題について解説。

ブラック校則のルーツ!? 校内暴力全盛期の“ツッパリ・ヤンキーブーム”から「制服」の今をひもとく

マンガや映画でおなじみの昭和の「ツッパリ」。「ブラック校則」のなかには、この時代に生まれたものもあります。受験戦争・校内暴力・ゆとり教育なども、制服を読み解くキーワードです。

制服の今を考えるきっかけにもなるその歴史。今回は「変形制服」、その対策として選ばれたブレザーなどを中心に制服の変遷を振り返ってみましょう。

映画『ビー・バップ・ハイスクール』(原作はマンガ)、バンド「CAROL」「横浜銀蝿」などの影響もあり、大ブームになったのが、ツッパリファッションです。

男子はボンタン(太いズボン)に、長ランか短ラン。女子はくるぶし丈の長いスカートに、短い上着、くるくる丸めた白いソックス。「変形制服」のお目見えです。

今ツッパリファッションを見ると、昭和らしい、もしかしたら少し鄙びた(ひなびた)印象を受けるかもしれません。でも、集団単位での非行や校内暴力・家庭内暴力などは実際に起こっていたのです。

1960年代、高度経済成長と、科学技術の進展に役立つ人材の育成を目指した教育政策とが結びつき、理数系教科についての改革が行われました。このあたりから、学力格差の拡大や、詰め込み教育が問題となっていきます。

その後、1970年代には、「受験地獄」「受験戦争」という言葉が広がります。受験戦争の激化だけでなく、授業についていけない「落ちこぼれ」も問題視されました。

さらに80年代には、中学校で校内暴力が急増。「盗んだバイクで走り出す」「誰にも縛られたくない」などのフレーズでおなじみの尾崎豊さん『15の夜』は、1983年の曲です。

学校側は、校則の強化や厳格な生徒指導で対処しますが、マスコミや保護者からは「管理教育」として批判されることになります。

さて、テレビドラマや映画で人気を博した、ツッパリ高校生が主人公の『今日から俺は!!』。原作のマンガは80年代後半から90年代の設定ですが、テレビドラマ版は80年代初めから中期の不良文化を参考にしているそうです。

ドラマの衣装担当さんは、「1980年代は前をきちっと閉めて“硬派”なスタイルだったので“閉めた状態できれいなシルエットになるようにする”ことに、一番こだわりました」と語っています(参考:「今日から俺は!!」衣装担当に聞く! 1cmにこだわった“短ラン”制作の裏側)。

当時ツッパリファッションを選んだ生徒の中には、「決められた通りに制服を着ない」という行為で、学校や社会への反抗の姿勢を示した人もいるそうです。権威や強いものに屈しないのがツッパリ精神といいますが、ツッパリの価値観が、制服に反映されているのかもしれません。