体が硬い人ほど血管も硬く、動脈硬化の進行が早い…専門医が教える「心臓病を予防する2大習慣」

AI要約

健康寿命延ばすためには、心臓力を強化するためにストレッチや有酸素運動が重要。

柔軟体操やストレッチが血管も柔軟にし、血圧を下げ、心臓負荷を軽減。

心臓病の患者でも効果的な運動療法があり、日常生活に取り入れることが大切。

健康寿命を延ばすにはどうすればいいのか。心臓専門医の大島一太さんは「心臓力を強化するために、ストレッチや有酸素運動に取り組むべきだ。慢性心不全の患者に適切な運動療法を行ったところ、死亡率は42%も減少した」という――。

 ※本稿は、大島一太『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

■「体の硬さ」と「血管の硬さ」の関係

 「100年寿命の時代」を健康的に生き抜くうえで不可欠な要素とは、「歩く力」と「食べる力」、つまり「足」と「歯」の2つに集約されます。

 そこで、ここからは心臓力を強化するための決め手である、「歩く力」と「食べる力」の2大要素をいかに維持・向上させていけばよいのか、について紹介します。

 まずは、心臓力強化のための運動について。

 カラダのかたさと血管のかたさを調べた研究によると、40歳以上になると、カラダがかたい人ほど血管もかたく、動脈硬化の進行が早いという結果が示されています。

 また、カラダや血管がかたい人が柔軟体操やストレッチを取り入れると、カラダがやわらかくなり、血管もまたやわらかくすることができます。

 ストレッチを行うと、血管を柔軟にする「NO(エヌオー)」という物質が増え、血圧を下げる効果があらわれます。そうすると、血管に血液を送り出す心臓にかかる負荷が軽くなり、心臓力も高まるのです。

■心臓病と診断されていても、運動は効果的

 さらに、やわらかいカラダは、転倒や骨折のリスクも大きく低減します。

 また、心臓力をパワーアップさせるためには、有酸素運動も外せません。十分に酸素を吸って、苦しくならず、全身の血流をよくする運動が、有酸素運動です。代謝をうながし、カラダから不要な脂肪や糖分を追い出し、少し軽い筋トレを追加すれば、下半身の強化にもつながります。

 日々の生活のなかに新たにストレッチや有酸素運動を取り入れ、心臓力をアップさせることは、「100年寿命」へのカラダづくりの基本となるのです。

 そこで、自宅でできるストレッチや有酸素運動を中心に、心臓力をアップするためのエクササイズを紹介します。たとえ心臓病と診断されていても、運動療法は効果的です。医師と相談しながら、自分の状態にあわせて取り組んでください。