ぐっすり眠って、しっかり「休息」のスタンダード(専門家が監修)

AI要約

睡眠はタフなカラダを作るために重要であり、「寝る子は育つ」と言われる理由を睡眠学者の柳沢正史教授が解説。

6~8時間が一般的に理想の睡眠時間であり、不足を感じたら徐々に睡眠時間を増やすことが大切。

運動後の寝るタイミングも重要であり、脳の覚醒を考えて運動の2時間前には就寝することが推奨される。

ぐっすり眠って、しっかり「休息」のスタンダード(専門家が監修)

「寝る子は育つ」とのことわざがあるように、タフなカラダを作るうえで睡眠は重要だ。運動とのスマートなバランスから心地よく夢の世界へ向かうための過ごし方まで、睡眠学者の柳沢正史教授に、心身のリカバリーにつながる眠り方を学ぼう。[取材協力/柳沢正史(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構機構長・教授)]

ワークアウトはジムで鍛えるだけでは終わらない。

「ノンレム睡眠の中でも最も深い状態であるN3の間に成長ホルモンが分泌されます。それによって筋線維が太くなり、傷ついた筋肉組織が修復されます。さらには骨も強くしてくれます」(柳沢正史さん)

しっかり眠ることが逞しい筋肉を育む。そういえば大谷翔平選手もたっぷりと寝ていると公言しているが、カラダづくりの一環でもあるのかも。となると、理想の睡眠時間が知りたくなってきた。

「一般的には6~8時間になります。“寝足りない”と感じたら、まずはいつもより30分早く寝てみましょう。翌日、気持ちよくカラダを動かせたら、さらに30分前倒しをしてみる。時間がかかりますが、1週間ごとに30分ずつ増やしていくと、1か月後までには自分の理想の睡眠時間が摑めます」

忙しい合間を縫ってカラダづくりに励むがゆえに、1分でも長く時間を割きたい気持ちはビギナーにはよくあること。ただし、寝る間も惜しんで頑張るのはちょっと見直そう。

「眠らないのは本末転倒です。夜更かしをする分だけ摂取カロリーも増えるので、体脂肪もアップします。これではカラダを絞る意味がない。さらに、睡眠不足は脳のパフォーマンス低下も招き、集中力が散漫になる。ケガのリスクも上がります」

短時間集中で運動に取り組み、早く眠る方が効率的なのは理解できた。では、運動後は寝床へ直行すべき?

「カラダを動かした後は脳が覚醒をするので、ほとんどの場合で寝つきが悪くなります。できれば就寝の2時間前には切り上げましょう」