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月経が止まった高校生に「体重を落とさないと試合には出さない」 「勝利至上主義」の指導がもたらす深刻な弊害
過度な減量を続ける若年層のスポーツ選手たちが心身に支障をきたす問題に直面している。
勝利至上主義による過剰な食事制限や練習量が無月経などの健康問題を引き起こしている。
過度な減量は体重のジェットコースター状態を引き起こし、深刻な身体への影響を与える可能性がある。
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若年層のスポーツの現場で、良い結果を求めるあまり、過度な減量を続ける選手たちがいる。心身に支障をきたすのはもちろん、女子の場合は無月経に陥るケースも。背景にある勝利至上主義を見直す動きが広がり始めている。AERA 2024年5月27日号より。
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“軽量化計画”に苦しんできたのは、慶應義塾大学SFC研究所の本田由佳上席所員も同じだ。インターハイにも出場した元新体操選手だが、現役時代は、過度の食事制限に明け暮れていたと話す。
「朝の起床時、帰宅時、それに何か食べたり飲んだりするたびに、1日に10回は体重計に乗っていました。部活動の練習以外で、少しでも増えていたら走りに出たりプールに行ったりという日々でした」
スポーツ庁と文化庁が22年に定めた学校部活動に関するガイドラインでは、心身の健康管理の徹底と週当たり2日以上の休養日を設定するよう求めているが、本田さんの高校時代は年末年始を除いて練習は休みなし。週に30~40時間もの猛烈な練習で、体脂肪率はわずか10%程度だったという。
月経周期の維持には、体脂肪率は22%以上が必要と言われている。本田さんは、高校に入学して2カ月ほどで月経は止まったが「生理が来なくて楽ちん」と考えていた。通常あるべき症状が体に表れない不安がなくはなかったが、毎週月曜日の体重測定が生活の中心となり、週の後半は減量のために1日1食、チョコレートひとかけらで済ませることも多々あったという。
「1週間で体重がジェットコースターのように増減する生活を続けていました。国体の選手候補に選ばれた時は指導者に『体重を落とさないと試合には出さない』と言われ、2週間で8キロの減量。夜は眠れず、集中力も落ちて、部活では動けない、勉強もできない。国体のメディカルチェックで重度の貧血と診断され、『このまま痩せ続けたら死んでしまうよ』と言われました。今思えば行き過ぎていたし、エネルギー消費と摂取、栄養のバランスが異常でした」(本田さん)