【二十四節気】5月20日「小満」“小さく満たす”と名付けられた理由は? 衣替えの合図、旬の食べ物も解説!

AI要約

二十四節気は太陽が通る黄道を24等分して季節を表すもの。小満は8番目の節気で、夏の訪れを告げる。万物が成長する時期であり、衣替えも行われる。

小満の時期は温暖で安定した気候だが、時には嵐もやってくる。衣替えの習慣は中国から伝わり、宮中行事としても行われていた。

小満からは立夏に進み、初夏の気候となる。梅雨の前触れとして「走り梅雨」が訪れることもある。

【二十四節気】5月20日「小満」“小さく満たす”と名付けられた理由は? 衣替えの合図、旬の食べ物も解説!

 5月20日(月)から「二十四節気(にじゅうしせっき)」の「小満(しょうまん)」です。小満の解説をする前に、「二十四節気」について解説します。

 二十四節気は、太陽が通る道「黄道(こうどう)」を15度ずつ24等分し、それぞれに季節を表す言葉をつけたもの。季節の変化を正しく把握するために古代中国で考案され、農作業を行う目安として使われてきました。日本には6世紀ごろに伝来したといわれています。昔と比べるとなじみが薄いものになりつつありますが、今でも時候の挨拶として用いられています。

 小満は二十四節気の中で8番目の節気で、季節は夏です。新暦では5月21日になることが多いのですが、今年は閏年があった関係で5月20日です。次の「芒種(ぼうしゅ)」が6月5日になるため、5月20日~6月4日が小満の期間になります。

 小満には「万物が勢いよく成長し、天地が生命力で満ちる」という意味があります。その言葉どおり草木はぐんぐんと伸び、木は実をつけ始める時期です。また、秋に種を蒔いた麦の穂がつく頃のため、農家の人が安心し、“少し満足する”ことから小満と名付けられたという説もあります。

 小満は立夏に続く節気になります。立夏から暦の上では夏に入っていますが、まだ寒さを感じる日もあったはず。それが小満に入る頃から、太陽の光が強くなって気温が上昇し、初夏の空気が感じられる過ごしやすい気候となります。

 小満は基本的に温暖で安定した気候ですが、ときには穂がついた麦を薙ぎ倒すほどの嵐が来ることも。この嵐を「麦嵐(むぎあらし)」、この時期に降る雨を「麦雨(ばくう)」と呼びます。また、5月の下旬ごろに数日間ぐずついた天気が続くことがあり、この雨を梅雨の先駆けという意味で「走り梅雨」や「梅雨の走り」「迎え梅雨」と呼びます。「走り梅雨」が去ってしばらく晴天が続いた後、本格的な梅雨の季節が到来します。

 小満の代表的な行事として挙げられるのは衣替えです。学校の制服も6月1日から夏服へと切り替わります。6月初旬頃から梅雨が訪れるため、気候の良い小満期間中に衣替えを終えてしまうといいかもしれません。

 この衣替えの習慣は中国から伝わり、平安時代には宮中行事として年2回行われていたようです。その当時は「更衣(こうい)」と呼ばれ、衣類はもちろん調度品まで夏仕様のものに変えていたそうです。現在、宮中行事の中に更衣はありませんが、今でも和装は6月と9月は裏地がついていない単衣(ひとえ)、7月から透け感のある生地を使った「薄物(うすもの)」、10月からは裏地がついた「袷(あわせ)」を着るルールがあります。